黒猫のワルツ

縁石すらも飛び越えられない

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

先日の仕事帰り

道路を走っていた私は

 

歩道へ移動しようと

そのままの速度で縁石をまたごうとして

 

 

思いとどまって一旦立ち止まり

それからゆっくり縁石を乗り越えた

 

 

 

・・・ふぅ

あぶねぇあぶねぇ

 

縁石に足が絡まって転ぶ所だったぜ・・・

 

 

 

幼少期から

これと言って運動音痴だと思うような事は特に無く

何でもそれなりに出来た私

 

 

体育の授業にはほとんど・・・

いや・・・うん・・・90%は出席していなかった

実技テストの時だけ単位を取得する為に

見よう見まねで参加するくらい

 

体育の授業は

はっきり言ってしまえば大嫌いだった

 

なんでかっちゅーと

無償で身体を動かす事もバカバカしかったし

 

 

それより何より

 

女子のバスケットボールの授業が始まってから

特に体育が大嫌いになった

 

女子なら分かると思うんだけれど

経験者じゃない女子のバスケは

ボールの奪い合いが異常なんですよ・・・

 

男の取り合いでもしているんじゃないかってくらい

そりゃーーもう醜悪な争いが繰り広げられる

 

近付こうものなら狂った女子たちに爪でひっかかれて

「あっ・・・・・・いったぁ・・・(しょぼん)」

ってなる

 

 

笑いを通り越して真顔になるレベルで醜悪

 

 

それ以来

体育の授業への参加率が著しく減ったのは言うまでもない

 

あそこに居たら

私も見学者たちから「あいつもおかしい」と思われるんじゃなかろうか・・・

私は絶対に染まらないぞ・・・!

 

そんな決意に似た感情があの当時はあった

 

 

そんな

授業には90%参加しない私だったけれど

体育の成績が悪かった事はない

 

実技テストを受ければなんだってそれなりに

並から上程度の成績をつけて貰えた

 

そりゃー高校時代ともなれば

毎日アホほどバイトで重いシャリ箱持って走りまくっていたから

体力も筋力も部活やってるやつよりあるわな

 

 

だけどそんな私にも

 

 

どうしても出来ないものがあった

 

 

 

それは

 

走り高跳び

 

 

スタート地点があって

そのずーっと先にバーが置かれていて

バーの向こうにはマットが敷かれていて

 

スタート地点からバーの所まで走っていって飛ぶやつ

 

 

全っ然出来ないの・・・!

 

 

もーーーね!

どんなに頑張ろうとしても無理!

 

 

記録は0cm

 

 

要するに

飛んですらいないって事ね

 

あれが私ほど出来ない人を見た事が無いから

私が何を言っているのか誰にも理解してもらえない気がする

 

だから

図解にすると

 

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これは出来るんですよ

 

垂直飛び

 

これは結構良い記録を出していた気がする

 

指先にチョークの粉みたいなのを付けて

垂直に飛んで壁をぺしっと手でやって

飛んだ高さを計測するやつね

 

 

飛べるよ

 

 

そして

 

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これも出来る

 

走り幅跳びですかね

 

これは平均くらいだった気がする

そんなに素晴らしいものではなかったけれど

多くの人が着地している辺りと大体同じくらいの位置に着地

 

 

 

そして出来ないのがこれ

 

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高さを出しながらちょっとずれた位置に着地!

 

これが全然出来ない!

 

 

いや

またぐものが無ければ出来るんですよ

ぴょんぴょん進んで行けばいいんでしょう?

 

だけど

目標となるまたぐものがあると

私は途端に飛べない人になる

 

 

もちろん授業には出席していなかったんだけれど

テストとなるとやらない訳にはいかない

 

そして毎回私は

今度こそ飛んでみせる・・・!!!

という気持ちをがっつり胸に抱いて

バーの手前まで必死に走って行って

バーの手前で

 

 

ビタァァァッ!!!と止まる

 

 

あっ無理や

って一瞬にして脳が拒絶する

 

 

ちゃんとタイミングも計ってるんですよ!?

 

見て学ぶのは得意ですからね!

自分の順番が回ってくるまで

テストを受けている人たちをじっくり観察していたさ!

 

あれは・・・あれでしょ?

バーの右側から走って行った場合

左足で地面を蹴って右足から先にバーを越えるパターンと

 

バーに対して斜め位置から走って行って

バーに対して反対方向の足で飛んで

背中からバーを飛び越えるパターンと

 

両足でジャンプして頭から飛び越えるパターンの3種類があるんでしょう?

 

 

 

どれもこれも無理じゃね・・・!!!?

 

 

タイミングを合わせた所で

バーを飛び越える自分が想像できないんですもの・・・!

 

どうやったって私

バーに当たるの・・・!!!

 

 

だって

右足上がった状態で左足だけで跳ねろって言ってんでしょ!?

(または逆)

 

それがもう想像出来ねぇんだよなぁ!!!

 

 

 

高校時代のテストの際

 

私は先生に申告した

 

 

私「先生」

 

先生「あぁん!?(滅茶苦茶言葉遣い悪いけど女性)」

 

私「私は走り高跳びが出来ません!!!」

 

先生「珍しいな!お前がそんな事言うの!」

 

私「だから他の生徒に迷惑が掛からないよう

  全員終わってから受けさせてください・・・」

 

先生「なんでよ!お前にも苦手あんのか!」

 

私「中学時代出来なくて出来なくて

  今でも出来る気がさっぱりしません・・・

  でも単位貰えないと困るから頑張りたい・・・

  克服したい気持ちはあるんです!」

 

先生「じゃあ放課後残れるのか!

   またバイトじゃないのか!?」

 

私「明日!明日ならバイト休みです!」

 

 

こうして

 

バイトが休みの日の放課後

 

先生と2人っきりで

体育館に高跳びの準備をした私

 

何故か10名ほど

クラスの女子たちが見学に来ていた

 

 

スタート地点に立ち

本気で憂鬱な私

 

飛べるイメージが・・・さっぱり無いんだが・・・

 

 

女子1「ルカーがんばれー!」

 

女子2「飛べるよー!」

 

 

ありがとう!

でもうるせぇ!!!

 

お前らに何が分かるんだ!

お前らは飛べるから簡単に「飛べる」とか言うけどなぁ

私は飛べねぇんだよ!!!

 

 

先生「ほい!いつでもいいぞ!

   まず1mからな!」

 

 

バカなの?

飛べねぇって言ってんのになんで1mだよ

私の2/3あるじゃねぇか・・・!

 

 

何度も深呼吸をして

 

いざ!!!

 

 

軽やかに走り出す私

 

 

そう!

こう!!!

 

こうやってタンタンターンと走っていってぇぇぇ!!!

 

 

ヒィィッ!

 

 

ビタァァァッ!!!

 

 

私「・・・・・・・・・・・」

 

先生「・・・・・・・・・・・・」

 

私「・・・ちょっと・・・もう一回」

 

先生「お・・・おぉ

   あ、あれだぞ?

   まず一回飛ぶだけ飛んでみねぇとよ・・・」

 

 

分かってる!

 

分かってるよ!!!

 

 

女子1「ファイトー!」

 

女子2「絶対イケるー!」

 

 

ありがとう!

でもマジでうるせぇんだわ!!!

 

 

再び軽やかに走り出し

 

再びビタァァァッッ!とバーの手前すれっすれで

両手を上げた姿勢で止まる私

 

 

私「・・・・・・・・・・・・・(うぅぅっ・・・)」

 

先生「どう・・・どう飛ぼうとしてる!?

   お前はどの飛び方したいんだ!?」

 

私「びょーんと!

  背中からこう・・・

  寝た姿勢みたいになって飛ぶやつです!」

 

先生「あぁ・・・イメージは出来てるのか・・・そうか・・・

   イメージは大事だからな・・・」

 

 

いや

 

飛んでる人のイメージは残っているけれど

私が飛んであんな訳の分からない姿勢になれるイメージは無い

 

飛びながら背中を地面に向けてあおむけ状態になるなんて

とても人間業じゃないと思っている

 

 

何度も何度も

走って行ってはバーの手前で止まる

という行動を繰り返す私

 

もはやただの連続単距離走

 

 

いつしか応援してくれていた女子たちも

10人くらい居たはずなのに3人ほどに減り

「なんで飛べないんだろう」

みたいな話題に切り替わっている

 

 

うるせぇうるせぇうるせぇ!!!

 

飛べる奴に飛べない奴の気持ちがわかってたまるか!

 

 

「どうして出来ないんだろう」じゃねぇんだよ!

 

どうしても出来ねぇんだよ!

 

 

何度も繰り返すうちに

バーの高さはどんどん下がっていき・・・

 

 

先生「70cmだ・・・

   これなら飛べるだろ・・・?」

 

 

バーの前まで歩いていき

高さを確認しながらその場で右足を上げる

 

これは・・・

 

ほぼまたぐだけ・・・!!!

 

 

私「先生!私きっとこれなら飛べます!」

 

先生「飛べねぇと困るんだよ」

 

 

スタート地点から

 

軽やかに走り出し

 

私は確信していた

 

 

これならイケる!!!!!

 

 

そしてバーの手前でガッと右足を上げながら

左足で・・・えっ・・・ジャッ・・・ジャンプ!!?

 

あよいっしょっ!!?(錯乱状態)

 

 

微妙に左足でジャンプをしつつ

右足がバーを越えてバーの向こうのマットについた

 

・・・が

まだ左足はバーの上

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これがほぼ出来ていないから

 

左足の膝裏がバーに乗ってしまい

 

マットに沈んだ右足だけではバランスを保てず

左足の膝裏でバーを連れて行き

 

バーと共にマットに倒れ込んだ

 

 

私「んなぁぁぁぁ!!!」

 

先生「なんでだよっ!!!!!」

 

私「・・・・・・・・・・・・」

 

 

マットにうつ伏せで倒れたまま

ぴくりとも動かない私

 

 

もう・・・ダメだ・・・

 

私は飛べるように作られていない生き物なんだ・・・

 

このマットものすごく埃くさい・・・

 

 

私「先生私もう単位いらない・・・

  もうダメだ・・・」

 

先生「・・・・・・・・・わかったよ・・・

   お前の頑張りに免じて・・・

   ・・・・・・・・・・・・あーーーうーん」

 

 

そう言って

私がマットに倒れているそばで

またバーの高さを調整し始めた先生

 

 

先生「60cmだ・・・

   これ飛べたら単位やるから・・・

   まぁもうこうなると飛ぶとかって話じゃねぇけど・・・」

 

私「!!!!!!!!?」

 

 

顔を上げると

 

びっくりするくらい低い位置にバーがあった

 

 

まじで

1ミリも飛ばなくてもまたげるやつ

 

 

一応スタート地点から走っていき

バーの手前でビタァァァァッ!と立ち止まり

 

右足をゆっくり上げてバーをまたぎ

マットの上に右足をおろして

バランスを取りながら左足を上げて

ゆっくりまたぐ

 

そして

 

マットの上でビシッと両手を広げて立った

 

 

私「!!!!!!!!(ビシィッ!)」

 

先生「・・・・・おめでとう」

 

私「やったーーーーーーー!!!

  先生ありがとうございます!ありがとうございます!!

  今度バイト先来てくれたらソフトドリンクおごりまーす!」

 

 

見学していた女子たちから

拍手が送られる

 

 

ありがとー!

ありがとーーー!!!

 

さっきまで「うるせぇ!」とか思っててごめん!

 

応援ありがとーーーーー!!!

 

 

 

ただ

 

多分その拍手

 

 

1時間半も粘った私の根性に対する拍手だよねぇぇ!!!?