黒猫のワルツ

多分たばこのにおいだけどな

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

以前から何故か『犬に飛びつかれる』という事が多かった私

 

 

数年前だと

自宅の近くを大型犬2匹が散歩しており

それまでゆっくりのんびり飼い主さんと一緒に歩いていたのに

突然狂ったようにこちらに向かって駆け出し

飼い主さんの手からリードが離れ

2匹に全力でアタックされて後ろに倒れ

馬乗りになって顔をべろんべろん舐められた上に

ストッキングがボロボロになった

 

 

以前の会社の近くでは

大型犬を4匹飼っている家があり

夕方になると『放し飼いタイム』が始まる

 

都会に住んでいる人からしたら

「何それ恐ろしい!」「何かあったらどうするの!?」

と思うだろうけれど

まぁ・・・なんだろう・・・田舎ならでは?なのかなぁ

 

その4匹の犬たちは

自由にその家の敷地から

数十メートル先までの道路辺りを駆け回っているんだけれど

幸い人に飛びつくような事はなかった・・・

 

私以外には・・・!!!

 

何でか知らないけれど

私はその4匹の犬のうち2匹からやたらと飛びつかれ

犬(というか動物全般)が大嫌いなIさんは

その場所を夕方に私と一緒に通る時は

必ず私から離れて歩いていた

 

 

幼い頃

母が触っていた犬に一緒になって触った時

私だけが噛まれるという事があったにも関わらず

私は犬が大好きだ

(あの時は死ぬほどビビったけど)

 

飛びつかれるのはその・・・

場合によっては爪が強烈に痛かったり

大型犬だと私の両肩の辺りに両前足がドーーーン!とくるので

踏ん張り切れず後ろに倒れて痛い思いをする事もある

 

けど

 

まぁ・・・嫌いじゃない

 

愛している生き物から愛されるのは嫌いじゃない!

 

 

だけど

何故私狙いなのかはよく分からない!!!

 

 

 

そんな私が先日

仕事を終えて会社の駐車場へ向かって歩いていた時の事

 

 

途中にある倉庫の前で

荷物の積み下ろしをしている作業員さんたちに笑顔で挨拶をし

 

スッと正面を見ると

 

 

一匹の中型犬が

キョロキョロしながらテテテテッと走って

こちらの方に向かってきている姿が視界に入った

 

 

・・・・・・・・・・・・・・!?

 

 

どう見ても

飼い主さんは近くに居ない

 

ど・・・どういう事だ・・・!?

 

 

思わず3メートルほど離れた横に居る

作業員さんたちの方を見るが

作業員さんたちはその犬には気付いていない様子で

忙しそうに荷物の積み下ろし作業を続けている

 

 

えっ

 

あのっ

 

ねぇっ

 

なんかあの犬が・・・

 

 

おろおろしつつも

再び犬の方を見ると

 

それまでキョロキョロしながらゆっくり走っていた犬と

ばっちり目が合った

 

 

犬「!!!(ピタッ)」

 

私「・・・・・・・・・・・・」

 

 

その瞬間

 

 

突然加速する犬!!!

 

 

あっあっ!!!?

これは嫌な予感!!!???

 

 

一瞬で察知した私は

肩に持っていたバッグに手をかけ

バッグを地面におろそうかおろさないかまよ・・・ったが!

 

犬のあまりの足の速さに

バッグをおろす事が出来ないまま

 

とりあえず両の足を前後に開き

両手を広げた

 

 

私「・・・・・・(来るなら来やがれっ!!!)」

 

 

口を開けてよだれを垂らした犬が

ものっすげぇ速度で私に向かって一直線に進んで来て

 

 

ドオォーーーーーーーーーーーン!!!

 

 

どぅふっ・・・!

 

 

私「なんっ・・・!!!(で私なんだ・・・!)」

 

犬「ハッハッハッハッ!!!」

 

 

飛び込んで来た犬は柴犬で

それほど大きな犬ではなかったお陰で

私の胸の辺りに両前足をドーン!とやられ

 

なんかもう両前足で胸の辺りをバリバリやられたけれど

私はどうにか後ろにぶっ倒されずには済んだ

 

いだいっいだいっ!

 

乳無いけどそんなにバリバリされると痛い!

 

 

私「なんだお前ー!誰だよ!!?」

 

 

ほんっと誰なんだよ!

初対面でなんつー挨拶だよ!

 

 

クマ「あれっ!!!?」

 

私「?」

 

 

声のした方を見ると

荷物の積み下ろしをしていた犬大好き作業員さん

クマさんが

こちらを驚いた顔で見ていた

 

 

クマ「なんだお前何やってんだ!」

 

私「知り合いですか!?」

 

クマ「朝ここで積み下ろしやってる時に会うんだわ!

   おいP!お前Pだろ!?

   えぇーーー!?リードついてないんでしょ!?

   逃げてきたのか!?

   なんだ!?なんでこんな所に居るんだ!?」

 

作業員1「ルカさんに一直線に突っ込んできてましたよ」

 

私「そう!!!

  目ぇ合った瞬間恐ろしいスピードで突っ込んできた!

  なんでだ!知らない子なのに!」

 

作業員2「あれーそいつー

     朝散歩してるやつじゃない?」

 

 

私が毎朝会うB君以外にも散歩している犬が居たのか・・・!

 

Pと呼ばれた犬は

いまだに夢中で私の周りをビョンビョンしている

 

やめろ

 

スカートの中に頭を突っ込むな

 

 

クマ「こいつまた逃げたのか!」

 

 

逃げた・・・

 

つまり・・・

 

 

ハッとした私は

慌ててPと呼ばれた犬の首に手を伸ばし

首輪をガシッと掴んだ

 

 

私「捕獲という事!?」

 

クマ「捕獲!!!

   おぉーーーないすー!

   こいつねぇ前にも逃げたらしいんだわ!」

 

 

え・・・

 

そんなに飼い主さんに不満があるの・・・?

 

 

私「あ、前に逃げた犬見つけて

  車で飼い主さん探したって言ってたのって

  この子ですか?」

 

クマ「いやそれとは別の奴だ」

 

 

そんなに!!!?

 

この会社の近くって

そんなに犬が脱走するの!!!?

 

 

犬嫌いの人は住めねぇな!?

 

 

クマ「どうすんだよお前ぇぇ・・・

   お前んち知らねぇぞ俺ぇ・・・」

 

作業員2「あっちの方から来てるよねー?」

 

クマ「おぉ

   あっちから来て向こう行って

   ・・・でもその後と前知らねぇわ・・・」

 

作業員1「でも多分あっちが家だと思うんですけど・・・」

 

私「お前自分の家分かるのか?」

 

犬「ハッハッハッ」

 

 

首輪を掴んだまましゃがみ込んで顔を抑えて問うと

 

 

犬「ベロベロッ!」

 

私「わっ!やめろっ!

  お前は好きだけど

  顔舐められるのは嫌いなんだ!」

 

クマ「参ったな」

 

作業員1「あっ!自分積み込みやっとくんで!」

 

クマ「また飼い主探しか・・・!」

 

 

クマさんは自宅でも犬を飼っている

大の犬好きである

 

聞いた話では

常におやつを持ち歩いていて

この辺りを散歩させている犬は全て撫で回し放題しており

 

時に・・・

 

犬たちと遊び過ぎて現場に遅刻し

怒られる事もあるらしい

 

そんなクマさんは以前にも

逃げ出してリードもつけずに走っている迷子のワンちゃんを捕獲し

飼い主さんを探して車で走り回って

ワンちゃんのお届けをした事があるのだ

 

 

クマ「ほらP来い!

   お前のご主人探しに行くぞ!」

 

 

クマさんがPの首輪に手を伸ばすと

Pは嫌がって私の後ろに隠れようとした

 

 

私「おっとっとと!

  ちょっと手首ねじれるから・・・!」

 

クマ「なんだお前!

   なんで俺の言う事聞かないんだ!

   俺だぞ!分かるだろ!?」

 

犬「・・・・・・・・・・」

 

 

Pは

私の顔とクマさんの顔を

見比べるかのように交互に見ている

 

 

私「・・・・・・・・・・・

  お前・・・あんまり可愛いと連れて帰るぞ」

 

 

この瞬間

 

Pがまた私に向かって飛びつこうとしてきた

 

 

私「ほんとに行く気かよ!」

 

クマ「はぁぁぁああ!!!?

   なんでいっつも遊んでやってる俺じゃなくてルカさんよ!

   所詮お前もオスって事か!

   タマねぇくせに!!!」

 

私「なんだお前オカマちゃんかぁー」

 

クマ「いやーちょっとじゃあルカさん

   ホロにこいつ乗せるの手伝ってくんない?」

 

私「あ、何なら飼い主さん探し手伝いますよ」

 

クマ「えーほんとにー!?良いのー!?マジでぇ!?」

 

私「もう帰るだけなんで!

  仕方ねぇなぁお前はよー!一緒に行くか!」

 

犬「ハッハッハッ!」

 

 

中腰でPの首輪を引っ張って歩き

どうにかこうにかホロ車へPを乗せた私は

クマさん運転席

真ん中にP

助手席に私

というスタイルで自分も車に乗り込んだ

 

Pは私の顔を見たり

前方を見たりしながらも

何故か私にぴったりとくっついている

 

 

暑い

 

 

冬だったら最高だったし

ぎゅーーーっとやって一緒に寝たかったんだけどな・・・

 

あぁでもせっかくだからぎゅーーーっ・・・!

 

・・・ちょっと外臭い

 

 

クマ「マジで家全然分かんねぇから

   すっげー時間かかるかもしんないよ?」

 

私「いっすよー

  一人より二人の方が早く探せるでしょう!」

 

 

いつも飼い主さんがやってくるという道路を通り

窓を開けて歩いている人に尋ねる

 

 

私「すみませーーん!

  この子の飼い主さんご存知じゃないですか~?」

 

クマ「すみませーん

   この犬見た事ないっすかね~?

   飼い主さん探してるんすけどー」

 

 

Pは

私の太ももの上に両前足を乗せて

隙あらば私の顔を舐めようとしてくる

 

やめろ!

 

親しき仲にも礼儀ありって言葉を知らんのか!

 

 

いやそもそも初対面だけど

 

 

 

こうして探し続ける事・・・なんと40分!

 

 

そりゃーもう大層離れた場所で

リードだけを手に持って必死にPを探している飼い主さんを発見!

 

 

クマ「あっ!!!あれだ!!!」

 

私「!!!」

 

 

飼い主さんの方に向かって車を走らせ

ようやくPと飼い主さんの再開!

 

 

クマ「こんちはーーー!!!」

 

飼い主「・・・・・・・・・あぁこんにち・・・

    なあぁっ!!!!!!?

 

クマ「会社の近くでこい」

 

飼い主「うわぁぁぁぁぁぁ!!!

    うえぇぇぇぇぇえぇ!?

    どこに居たんですかぁぁ!!?

    おまえぇぇぇ!どこ行ってたんだよバカ野郎!!!」

 

 

飼い主さん発狂

 

 

そんな飼い主さんを

私の太ももの上にケツを乗せたまま

割と静かに見つめるP

 

 

クマ「はははっ」

 

飼い主「すみません!!!

    いやぁずーっと探してたんですよ!

    すみませぇぇぇん!!!

    あっ待ってちょっと家に電話入れないと!

    皆で探してるから!」

 

 

完全にパニック状態の飼い主さん

 

飼い主さんが見つかって良かったねぇP

 

・・・いや

良かったのか悪かったのかは

Pのみぞ知るって感じだけど

 

 

逃げられないように

助手席の窓の隙間からリードを渡して貰い

首輪にリードを付けた状態でドアを開けて

リードを飼い主さんに手渡す

 

・・・が

Pは私の足のにおいを嗅いだり

スカートの中に頭を突っ込んだり

せわしなく動きまくっている

 

落ち着きの無い奴だなぁ!

鼻ガシッと掴んで噛み付いちゃうぞ!

 

 

飼い主「うわっお姉さん毛と泥が・・・!

    あぁぁぁ申し訳ないです・・・!

    後日クリーニング代持っていきますから・・・!」

 

私「あぁーいやいや全然これくらい!

  洗えば落ちるんで!

  ほっとクリーニング代なんてそんな大層な物不要です!

  P君にお菓子でも買ってあげてください!」

 

飼い主「お前ほんっとに何なんだ一体!

    どうやってドア開けたんだよ!

    おい!おいって!聞いてんのか!?」

 

 

おい

だから私のスカートに頭を突っ込むな

 

躾のなってねぇ犬だな!!!

 

全身わしゃわしゃの刑にしちゃうぞ!!!

 

 

クマ「いやー捕まえられてよかったわー!

   なんかねぇルカさんに突っ込んできたみたいで

   ルカさんがガシッと首輪掴んでくれてねぇ!」

 

私「逃げ出したって聞いた瞬間

  咄嗟に「捕まえなきゃ!」って」

 

飼い主「ありがとうございます!

    ほんっとこんな暑い中すみません!!!

    もぉぉ・・・心配したんだからなぁ・・・」

 

 

飼い主さんに無理矢理引っ張られながらも

何度も何度も振り返っては立ち止まり

それを繰り返しながら去っていくPを見送る私とクマさん

 

 

クマ「しっかしなんでルカさんに突っ込んできたんだろうなー

   俺とか他の奴もよく遊んでやってて

   あの場に居たのになぁ!」

 

私「昔っから・・・

  やたらオス犬に飛びつかれるんですよねー・・・

  今回初めてそれが功を奏しました・・・」

 

クマ「においかな~?」

 

 

えっ

 

私の・・・におい・・・・・・・・・・・?

 

 

 

もしや私

 

人間界ではロクでもない男にしかモテないけれど

犬界では超絶モテモテなのでは・・・!!!?

 

 

私「・・・・・・・犬になりたい」

 

クマ「・・・・・・・えっ?」

 

 

 

 

犬になって逆ハーレム作るぅーーーーーーー!!!