黒猫のワルツ

後でこっそり電話して説明しておいた

 

皆様こんにちは

 

歯医者さんで「歯を噛みしめるな」と言われたのに

ふと気付けば

上の歯と下の歯がしっかり噛み合っているLUKAでございます

 

 

いやー直せねぇなぁ・・・!

 

ほんっと気付けば常に噛み合ってるわー!

 

 

 

そんな私は先日

 

会社でこんな電話を取った

 

 

婆「今日は雪が凄くてねぇ

  雪かきに来てくれないかねぇ?」

 

私「ご住所とお名前を教えて頂けますか?」

 

婆「え!?なんて!?」

 

私「おうちは!

  どこですか!?」

 

婆「~~~~だよ」

 

 

言われた場所は

会社から車で片道3時間程の

とてつもねぇド田舎(山岳地帯みたいな場所)だった

 

 

いや・・・

私が住んでいる場所も田舎だよ!?

 

だけどその比較にならんほどの場所なの!

 

 

私「すみません・・・

  そこはうちの管轄外なんですよ・・・!」

 

婆「えっ!!!?

  なんて!!!!?」

 

私「うち行けない場所です!

  もっと近くのどこかに頼んでください!」

 

婆「でも前におたくで来て貰ったのよ」

 

 

えっ

 

嘘やろ?

 

 

必死に履歴のデータを探すも

そんな履歴は出てこない

 

 

私「うちでですか??????」

 

婆「そう!」

 

 

えぇ・・・?

 

そんなとてつもなく遠い場所までうちが・・・?

 

いやでもこの会社マジで見境なく何でもやるから

100%ありえないとは言い切れねぇ・・・!

 

 

お婆ちゃんと電話で話しながら

情報を聞き出そうとしていると

 

まともさんがそっとメモを差し出してきた

 

 

『毎年電話かかってくるけど

 うちでやった事無い

 前に調べたら他の業者が除雪に行ってるらしい』

 

 

え!!!?

そうなの!!!!?

 

なんでこのお婆ちゃんうちに電話よこしてんの!?

 

 

私「あの・・・うちでは行った事が無いんですよ!

  いつも他の所に頼んでると思うんですけど!」

 

婆「いやぁおたくよぉ

  誰か覚えてないの?」

 

 

いや

やってないってよ

 

 

どうやらこのお婆ちゃん

話せば話すほど

若干痴呆症の気配があるように見受けられる

 

 

聞いた住所を地図で調べると

マジでとんでもねぇ山奥にぽつっと一軒だけ家があって

そこにお婆ちゃんはひとりで暮らしているらしい

 

 

切ない・・・

 

 

でもすまねぇ婆ちゃん

 

そんな場所まで除雪用の車で行ったら

片道4時間以上はかかっちゃう!!!

無理!!!

 

 

どうにかこうにか

「他の業者が入っている以上うちではいけない」

という事を説明して断り

電話を切った

 

 

まとも「毎年冬になるとかかってくるんだよねぇー!

    うちじゃないって言ってんだけど!」

 

私「どこに依頼しているか毎年忘れちゃう

  って事なんですかね・・・」

 

まとも「多分ボケ入ってるでしょ?

    それもあってなんだと思うんだけど

    うちじゃどうしようもないんだよね」

 

私「断ってしまっていいんですよね?」

 

まとも「うん

    断ってー!」

 

 

それから10分後

 

 

再びお婆ちゃんから電話がかかってきた

 

 

婆「あのね

  今日は雪が凄くてね

  雪かきに来て欲しいんだけど」

 

 

お婆ちゃん・・・!!!!?

 

それさっきも聞いたよ・・・!!!!?

 

 

私「あの・・・先程お電話くださった方ですよね!?

  うちでは行けないんですよ!」

 

 

やめて・・・!

 

これ以上こんな悲しい事実を何度も伝えさせないで・・・!

 

 

婆「電話?してないけれど・・・」

 

 

いやいや!

してきてたって!

つい10分前だよ!!!?

 

 

再び最初っから同じやり取りを繰り返し

5分ほどで電話を切った

 

 

まとも「また来たの・・・?」

 

私「・・・・・・・・・・・・」

 

20歳「大丈夫なのその人・・・

    ヤバくない?」

 

私「痴呆症なんじゃないかなぁ・・・

  なんか切ない・・・」

 

20歳「なんで自分で電話しておいて忘れんの

    頭おかしいんじゃないの」

 

 

いや・・・!

君はまだ20歳だからそんな事言えるんだよ・・・!

段々そうなってくるんだって・・・!

痴呆症じゃなくたってそうなってくるの・・・!!!

 

色んな人が居るという事を認めて

もっと広い心で受け止めてあげて・・・!

 

 

・・・なんか・・・でも・・・

 

 

また電話が来る気がする・・・

 

 

 

10分後

 

やっぱりまた電話がかかってきた

 

 

20歳「この番号そうじゃない」

 

私「うん」

 

20歳「あたし出ようか?」

 

 

やめて!

お年寄りに酷い事言う気でしょ!!!?

そんな事させないんだから!

 

 

私「もしもし〇〇会社です」

 

婆「あぁすみませんねぇ〇〇会社さん?

  今日は雪がとっても降っててねぇ」

 

 

なんだろう・・・

目頭が熱くなってくる気がする・・・!

 

雪が・・・

雪が降ってるねぇ・・・!!!

 

 

こうして

3度目の同じ会話を繰り返した私は

 

お婆ちゃんが住んでいる地域の

建築屋さんをネットで調べてみた

 

どうやら除雪関係の仕事は

基本的にはその地域の建築屋さんが請け負っている事が多いらしく

私が働いている会社ももちろん

除雪の業務をいくつか請け負っている

 

へぇーそういう仕組みだったんだぁー!

 

 

調べた建築屋さんの名前をメモして・・・

 

 

10分後

 

再びお婆ちゃんから電話がかかって来た

 

 

まとも「ちょっと・・・しつこい!!!」

 

 

そんなイライラしなくても・・・!

 

 

婆「あのねぇ

  おたくで毎年雪かきしてもらってるんだけど」

 

 

してないよ婆ちゃん・・・

 

 

私「今から言う名前の中で

  聞き覚えがある所があったら教えてください」

 

 

こう言って

先程調べた建築屋さんの名前を

一つずつ読み上げて行く

 

 

婆「あら!そこなんだか聞いた事あるわねぇ」

 

私「そうですか!?」

 

 

あら!

うちとも取引がある会社じゃないの!

 

 

婆「電話帳にも書いてるわ・・・」

 

私「じゃあもしかしたら毎年お願いしていたのは

  そこかもしれないですね!

  そこに電話をしてみてはいかがでしょうか!?」

 

婆「ここに・・・?どうして?」

 

 

いや・・・だから・・・

貴女が毎年除雪を依頼していたのは

そこかもしれないからだよ・・・!

 

 

必死にお婆ちゃんを説得して

電話を切ったが

 

 

10分後

 

 

婆「あぁすみませんねぇ

  毎年雪かきをお願いしてたと思うんだけど」

 

 

またうち!!!!!!!?

 

なんでまたうちにかけてきたの!!!?

 

違う違う婆ちゃん!

 

さっき教えた所にかけないと!

 

 

私「あの・・・違いますよ!?

  うちじゃなくて!

  〇△建築屋さんに電話しないと!」

 

婆「え?おたくはなにさん?」

 

私「うちは〇〇会社です!」

 

婆「〇〇さんなの?

  あらじゃあ〇△さんってなんだったかしらね・・・

  なんだか聞き覚えがあるんだけれど・・・

  あら?

  この電話帳にも書いてあるわねぇ・・・?」

 

 

ふわぁ・・・!

 

いつか私もこうなるかもしれないのか・・・!

恐ろしい・・・!

老いって恐ろしいよ・・・!!!

 

 

再び説明し

電話を切った私

 

15分ほど経っても電話がかかって来なかったので

ホッと一安心した

 

 

その時だった

 

 

再び電話がかかって来た

 

 

婆「あのね」

 

私「はい・・・」

 

婆「さっき〇△建築屋さんに電話してって言ったわねぇ?」

 

 

あ!

 

そこまでは話進んだ!!!?

 

 

婆「電話しても誰も出ないから

  雪かき来てくれないかしら?」

 

 

無理ぃぃぃぃーーーー!!!

 

可哀相過ぎて何なら私が行ってあげたいけど

それは無理ぃぃーーーー!!!

 

 

ここから

「電話に出るまで頑張って電話して!」

というのを

 

 

3度言った

 

 

電話を切っても

10分置きに

「電話出てくれないの」

と電話が来るのが3度繰り返されたのだ

 

 

もう2時間以上もこのお婆ちゃんに付きっ切りだ・・・

 

耐えられない!

 

私が〇△建築屋に電話して事実確認したるわ!!!

 

 

本当は

うちの会社とは一度も何も取引をした事が無いお婆ちゃんが

どうしてうちに電話をかけてきたのかも分からないし

そのお婆ちゃんにここまでするのもおかしな話なんだけれど

 

こうするのが一番手っ取り早い状況だった

 

 

〇△建築屋に電話をかけると

 

驚くほどすぐに電話に出た

 

 

女性「はい〇△ですー!」

 

 

えっ

電話に出ないって聞いてたけど・・・?

 

 

私「〇〇会社のルカと申します

  いつもお世話になっております」

 

女性「あ!〇〇会社さん!

   いつもお世話になってますー

   社長ですか?」

 

私「あぁいえ!

  ちょっと確認したい事がございまして・・・」

 

女性「はいー」

 

私「先程から~~さんとおっしゃる女性の方から

  除雪についてうちにお問い合わせが入っておりまして

  その関係で

  ~~~~に住んでいる方らしいんですが

  そちらで毎年除雪を行っているかどうか

  確認したかったのですが・・・」

 

女性「~~さんですか

   お婆ちゃん?」

 

私「そうですそうです!」

 

女性「あぁぁぁーーーー

   え?〇〇会社さんに電話が入ったんですか?

   なんで?」

 

私「いや・・・うちで除雪に入った事も

  何か取引があった事も無いんですが

  「おたくで除雪して貰ってた

   来てほしい」

  という主旨のお電話が・・・」

 

女性「あらぁーーーそうだったんですかぁ

   いや

   一昨年まではうちでやってましたよ」

 

私「!!!!!!!!!」

 

女性「だけど

   もうボケきちゃってて

   除雪入っても後になって

   「やってもらってない」

   ってお金払って貰えない事が続いて

   お断りするようになったんです」

 

 

あっらぁ・・・・!!!!!

 

 

女性「確か遠方に息子さんがいらっしゃって

   最終的には息子さんから代金頂いたんですけど

   「母から依頼があっても断ってください」

   ってなったんですよねぇ

   息子さんが手配するみたいな話になってて」

 

私「あ!そうなんですか!?」

 

女性「ただそれも何も覚えてないんでしょうね・・・」

 

私「あぁ・・・

  ちなみに何度かそちらに電話をかけているはずなんですが

  電話入ってました・・・?」

 

女性「いいえ・・・?

   あっ

   ごめんなさい

   着信拒否になってますね

   断っても断っても一日に何十回もかかってくるんで・・・」

 

 

今まさにうちがそういう状態!

 

 

と話している間にも

またお婆ちゃんから電話がかかってきて

20歳の女の子がイライラした表情で対応している

 

 

私「あっ!ありがとうございました!

  とりあえず事情は分かりました!」

 

女性「いえいえーお役に立てずすみませ~ん」

 

 

電話を切って

20歳の女の子を見る

 

 

20歳「うちにかけてきてもうちどーしよーもないねー

    迷惑なだけなんでー

    後は自分で何とかしてくれません?」

 

ガチャン!!!!!!

 

 

 

あぁぁぁぁっ・・・・・・・!

 

 

な・・・なんという・・・・・・・・

 

 

私「・・・・・・・・・・」

 

20歳「・・・あ

    今また電話きてたよ

    もうかかって来ないと良いね」

 

 

う・・・・・・うん・・・・・・

 

 

婆ちゃん・・・

 

 

ごめんねぇぇえええええ!!!!!!!?