黒猫のワルツ

あんなの持って来られても多分困る

 

皆様こんにちは

 

私が使用している会社の車は

現在社長が暇な時に5時間ほどかけて洗車しており

 

毎度毎度ピカピカになった車を私に見せて

「ここも掃除したしここも掃除したんだ!

 ルカさんに喜んで欲しくて頑張ったんだよ!

 俺凄い!?」

という事を言ってくる

 

「わぁーすごーい!」

「ありがとうございまーす!」

という言葉が欲しくて欲しくて仕方ないご様子

 

 

そんな社長が洗車を終えた5分後のピカピカの車に乗り込み

そこから100km以上も走行し

ドロッドロになった車を見て

 

「あぁーーーーっはっはっはっはぁーーー!!!」

 

とまるで悪役のような高笑いをしてしまった

性格が超悪いLUKAでございます

 

 

いやーなんだろうね!

 

洗車を終えたピカピカの車を見せられる度に

「わぁーすごーい!」

「ありがとうございまーす!」

を5分以上も続けるのちょっと嫌になってきてたんだよね!

 

さすがに毎回毎回「褒めて!感謝して!」ってやられるのは面倒臭い

 

って言うか何度も言ってるけど

私が使ってる車くらい自分で洗うから放っておいてくれ

 

 

 

 

さて

そんなこんなで車で外を走る事が非常に多い私

 

車で走る事が多い=車で危険な目に遭う確率も自ずと高くなる

ってなもんである

 

 

先日

いつものように書類を届けたり

備品の買い出しをしたり

集金をして回っていた時の事

 

 

上り坂の途中の交差点で赤信号になり

車を止めた

 

私の前には一台の車が同様に赤信号で止まっている

 

 

どうやらここの信号は長そうだ・・・

 

そう思った私は走行日報を記入し始めた

 

次はここ行って~

その次はここ行くでしょ~

そんでその次はここ~

 

半分程の目的地を書き終えた所で

ようやく信号が青に切り替わった

 

 

前の車のブレーキランプが消えたのを確認し

私もブレーキから足を離してアクセルを踏む

 

 

交差点に侵入し

そのまま直進する前の車と私の車

 

 

そこで

ロードヒーティングが終わり

雪が積もった路面との段差に前の車が差し掛かった

 

 

その瞬間

 

 

前の車がガクン!と揺れるのと同時に

 

 

 

突如前の車のトランクがボバァーーーンと跳ね上がって全開になった

 

 

 

私「ホワァァァーーーッツ!!!!!!!!?

 

 

 

どうして英語になったのかは分からない

 

分からないけれど

びっくりし過ぎて思わず叫んだのがこのセリフだった

 

 

更に次の瞬間

 

 

前の車のトランクに積み込まれていた

段ボール箱やら何やらがゴロゴロゴローーーーッ!

っと車から転がり落ちてきたのだ

 

 

私「オウマイ・・・ゴッドゥネス!!!!!!!!!

 

 

やっぱり何故か英語

 

 

もしかしたらその時かけていたラジオ番組で

リクエスト曲が洋楽だったからかもしれない

 

 

っていうか無理無理かわしきれなあっ!!!

 

 

ゴッ!

 

 

・・・・・・・・あっ・・・おあぁ・・・

 

 

更に続いて

前の車がトランクが開いた事に気付いたのだろう

 

突然急ブレーキを踏み

そのせいで更に荷物がゴロッゴロ転がり落ちてきた

 

 

でも

 

その時には私は何とかその車の右側を抜けていた

 

 

ギュゥンッとその車の前に入り込んで

道路脇に寄せて車を停車

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

ふぅーーーーーっ・・・・・

 

 

 

お・・・

 

おいおいおいおい・・・

 

なんかに乗り上げて

ゴッ!って言ったぞゴッ!って・・・!

 

勘弁してくれよ・・・

 

 

大きくため息をついてから

後ろから車が来ていない事を確認してドアを開け

車から降りた

 

 

男性「当たった!!!?」

 

私「なんか踏みましたね

  すみませんよけきれませんでした」

 

男性「いやぁーーごめんごめん!

   ちゃんと閉まってなかった!」

 

 

男性は仕事中なのだろう

作業服を着た60代くらいの

愛想はやたら良い人物だった

 

 

ごめんごめん!

じゃないんだよ!!!

ごめんで済むなら警察は要らねぇんだ!!!

ったくもー!

 

 

とりあえず

左側のタイヤが何かに乗り上げたと思うので

自分の車の左側を重点的にチェックする

 

 

どうやらどこも損傷した様子はない

 

 

・・・ならまぁいっか

 

 

一応男性が乗っている車のナンバーだけしっかり見て覚えておいて・・・

 

 

腕まくりをして男性の車の後ろの方に歩いて行くと

 

そこには想像を絶する光景が広がっていた

 

 

どうやら崩れてきた箱のいくつかには

書類がびっしりと詰まっていたらしく

 

それが辺りの道路に散乱して

既に行き交う車にめちゃくちゃに轢かれているではないか・・・!

 

しかもこの日はとっても天気が良くて

道路の雪がかなり溶けて

場所によってはザックザクのジャバジャバ状態

 

道路に張り付いてもう既に破れてボロボロの物も見受けられる

 

 

私「おぉーぅ・・・な・・・何という有様・・・」

 

男性「いやーこれは・・・回収できないねぇ!」

 

 

え?

「回収できないねぇ!」ってそんな軽く言ってるけど・・・

大丈夫なのこれ?

個人情報とか無いやつ???

 

 

私「簡単に拾えそうなのだけお手伝いしますね」

 

男性「えっいやぁそんな!

   いやー悪いなぁ!

   ありがとう!!!」

 

 

私も仕事中でちょっと時間無いし

ほんの少しだけね!

 

 

車から落ちた荷物は

想像していた以上に坂道の影響で綺麗に転がりまくったらしく

箱の中に詰まっていたであろう商品っぽい物なんかも

走行している車に撥ねられて木っ端みじんになっている物が目立つ

 

 

あぁあ・・・

こりゃおじさん会社に戻ったら怒られるわ・・・

 

 

とりあえず安全に拾える物だけ拾って

べちょべちょのボロボロになった段ボールに詰め込み

おじさんの車のトランクに積んであげた私は

5分が経過した事を確認して退散する事にした

 

 

私「すみません

  15時までに訪問予定の場所があるので

  私はこれで失礼します」

 

男性「いやー助かりました!

   あ!これもしよかったら持って行って!」

 

 

貰ったのは明治のチョコ1袋!

 

えー!?

こんなの貰ったら後2~3分くらい頑張ろうかな

って思っちゃうからやめてよー!

 

 

だけど

そうも言っていられないので

ラスト1個!と思って近くにあった箱を拾って

トランクに積んでいると

 

男性の電話が鳴った

 

 

男性「はいはい!

   あーいや!今もうすぐ戻ります!

   あっいや・・・すぐではないけど

   ちょっとトラブルがあって!」

 

私「・・・・・・・・・・

  (じゃあ私はこれにて失礼しまーす・・・)」

 

男性「それでね!?

   あのー・・・頼まれてた書類

   全部道路にぶちまけちゃったんだけど

   あれってどうしても必要?」

 

私「!!!!!!!!?

  (必要だから頼まれていたのでは!?)」

 

 

次の瞬間

 

2メートル以上は離れている男性の電話から

女性の甲高い怒鳴り声が響いて私の所まで聞こえてきた

 

 

めっちゃ怒ってる!!!!!

 

そりゃそうだけども!!!

 

 

男性「あっ・・・・・・・いやっ

   トランクの扉が開いて落ちて・・・

   ちがっ・・・・・・・・・・・

   ちょっと・・・・・・・・・・・・

   いやあの話聞い・・・・・・あっはい・・・

   は・・・・・・・・・・・あっ・・・・・・・・・

   は・・・・・・・・・いえ・・・・・・・・・・・・

   ・・・・・あ・・・・・・・・

   は・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

そして

 

いきなり電話を切られたのであろう

 

 

男性は静かに電話を耳から離し

そっと電話を見下ろした

 

 

私「・・・・・・・・・・あぁ

  きられ・・・たんですね・・・」

 

男性「・・・・・・・・・・・・・

   怒ると怖いんだよなぁ・・・うちの事務員さん・・・」

 

私「す・・・すみません・・・あの・・・

  本当に心苦しいんですが・・・

  私はこれにて・・・・・・・・」

 

男性「あっうん・・・

   本当にありがとうございました・・・・・・・」

 

 

こえぇぇ!!!

 

電話の内容聞こえてた訳じゃないけど

あんな勢いで怒られたらもうなんも言えねぇわ!

 

こわぁぁぁ!!!!!

 

 

 

自分の車に戻り

どろどろになった両手をウェットティッシュで綺麗にし

時計を確認した私は

アクセルを強めに踏み込んだ

 

さぁ少し急がないと・・・!

 

 

 

そして走りながら思った

 

 

 

あの電話で怒っていた女性

 

 

 

男性が拾って持ち帰ってきた書類見たら

もっと怒るんだろうなぁ・・・!!!!!