黒猫のワルツ

大爆笑がバレなくて良かった

 

皆様こんにちは

 

 

笑っちゃいけないシーンでも

容赦なく笑う家庭で育ったLUKAでございます・・・!

 

 

いやほんとね

ルカ家は皆そう!

 

なんか知らんけども

どんな深刻な雰囲気の中でも

ちょっとツボに入るような出来事が発生したら

もう絶対笑う

 

 

例えば

お葬式中に目の前の席の人の頭の周りばかりを

ハエが飛び回っていたりした場合

 

 

父は

「えふっ!えふんっ!」

と笑いを堪えようとしながらも

笑ってるのバレバレで外へ出ていくタイプ

 

母と兄は

それに気付いていないルカ家の人間が居ようものなら

肘でつついて

「見ろよあれ!」といった表情で気付かせ

人まで巻き込んで笑わせにくるタイプ

 

 

誰かが転んだ時も

「大丈夫?」

より先に大爆笑!

 

それがルカ家

 

 

THE・不謹慎

 

 

 

そんな家庭で育った私もまさしく不謹慎

 

目の前で誰かが転んでも

心配よりも先に笑ってしまうタイプ

 

それがいけない事だと分かってる・・・!

 

だけどつい笑っちゃうの・・・!!!

 

 

そして私自身も

自分が転んだ時に周りの人たちに是非笑って欲しい

 

本気で心配されると余計恥ずかしくなっちゃう

 

 

 

先日

社長と2人で現場の漏水調査に出ていた時の事

 

1時間ほどかけて屋内の調査を終わらせ

結局屋内には何の問題もない!

という事が分かり

 

外の調査に移動した

 

 

私「えーっと

  図面見ると3か所ありますかね・・・

  私は向こうの散水栓見てきます」

 

社長「じゃあ俺はそっち」

 

 

二手に分かれ

散水栓の所へ行き蓋をバールでこじ開けて

中のチェックをする私

 

特に問題がありそうにも見えないなぁ

 

通水してメーターの所へダッシュしてー!

 

水落としをしてメーターの所へダッシュしてー!

 

 

・・・問題なし

 

 

 

漏水の疑いがあるから調べに来ているのに

全くどこにも問題が無いというのが一番困る

 

このままじゃ原因不明って結果になるぞ・・・

どうしよう・・・

 

 

蓋を閉め直していると

社長がこちらに向かってきた

 

 

社長「鍵かかってて蓋開かないや」

 

私「鍵ですか?

  散水栓の蓋に鍵なんてあるんですか?」

 

社長「鍵穴みたいな形の穴が開いてて

   そこにマイナスドライバー突っ込んでこじ開けようとしても

   蓋がびくともしない」

 

 

どれどれ・・・

後学の為にちょっと拝見させていただきたい・・・

 

 

社長が開けようとしていた散水栓の蓋の所へ行き

蓋を見ると

 

確かに蓋の端の所に

鍵穴のような形の大き目の穴が開いている

 

 

持っていたバールを突っ込み

てこの原理で蓋を持ち上げようとするけれど

どこかに引っかかっているらしく

うんともすんとも言わない

 

 

私「へぇー」

 

社長「鍵あるかなぁー聞いてみるかー」

 

私「いや・・・」

 

 

頭を蓋に近付けて

鍵穴の形の穴を横から覗き込む

 

 

 

なるほど

 

 

私「マイナスドライバー貸してください」

 

社長「はい?」

 

私「開けますね」

 

社長「え?

   いや多分鍵になってて

   中で引っかかりがあるから開かないよ」

 

私「・・・・・・・・・・

  (うるせぇな良いからさっさとよこせよ

   よ・こ・せ!!!)」

 

社長「・・・まぁいいけど」

 

 

マイナスドライバーを受け取り

鍵穴の中に斜め上からマイナスドライバーを差し

中をコツコツと探ってみる

 

 

あった!

 

ここを横に押しながら蓋を引っ張れば開く!

 

 

右手でドライバーを押し込みながら

左手でバールを使って蓋を持ち上げると

 

 

ガコッ!

 

 

社長「え!!!?」

 

私「どれどれ・・・おーこういう仕組みですかー

  これがバネみたいになって

  こっちの端に引っかかるようになってて

  ここを押してあげると引っかかってたのが外れるんですねー

  簡単なのにしっかりしてて面白い」

 

社長「鍵無くても開けられるの!?」

 

私「簡単な造りでしたねぇ」

 

社長「えっルカさん普段からそんな事して・・・」

 

私「してないです」

 

社長「でもいやに手際よかっ」

 

私「横から見たら分かっただけです」

 

社長「・・・す・・・凄い特技だね・・・

   鍵開けって・・・・・・・」

 

 

子供の頃

鍵がかかっているトイレのドアを外側から開けるのにハマって

よく母が踏ん張ってる最中のトイレのドアを開けて走って逃げて

怒られたもんですよ・・・

 

そりゃ怒るわな・・・

 

私だったら半殺しにしたるわ・・・

 

 

私「もう何年も使われてない雰囲気ですし

  きっと鍵もどこにあるか分からないような状況でしょう

  簡単に開いてよかったよかった」

 

社長「う・・・うん・・・

   ちょっとびっくりしちゃった・・・

   えっ本当に普段やってないよね・・・?

   犯罪とか・・・大丈夫だよね・・・?」

 

 

しつこいなぁ!

男のくせに細かい事気にすんなよ!

何でも出来た方がいいだろ!!?

ケツの穴のちぃせぇ野郎だぜ全く!

 

 

蓋をどけて

中の散水栓を確認する

 

 

社長「水落としされてるみたいだね」

 

私「ですねぇ」

 

社長「通水してみるか」

 

私「そうですね」

 

 

そう言って2人で散水栓ボックスを覗き込みながら

水落としのレバーを下げたその瞬間の出来事だった

 

 

 

散水栓から

 

 

恐ろしい勢いで水が噴射された

 

 

 

ブジュュォオオオオオオオオッ!!!!!!!

 

 

社長「!!!」

 

 

その次の瞬間

 

私は考えるよりも早く身体が動いており

 

ものっすごい速度で後ろにビョビョビョーーーン!と飛び跳ねて

気付けば散水栓から3メートルくらい離れた位置まで離脱

 

 

しかし

 

私と一緒に散水栓を覗き込んでいた社長は

 

 

 

見事にその散水栓から噴き出した水の餌食になり

首が後ろにのけぞるほどの直撃を食らって

 

 

眼鏡が吹っ飛んだ

 

 

それを見た私は

 

 

私「んなっははははははははぁー!!!!!

 

 

自分でも驚くくらいの大きな声が出た

 

 

だって!

 

こんなのコントじゃん!!!

 

 

私「ハハハハハハハ!!!

  ・・・・・・・・・・ハッ!」

 

 

やべっ

 

思いっきり笑っちゃったけどそれどころじゃねぇわ・・・!

 

 

これだけ盛大に笑った後に慌てても後の祭り感が凄まじい

 

今更だけど急いで散水栓の所へ駆け寄り

後ろにのけぞって尻もちをついた社長の代わりに

水がかからない位置から蛇口を閉めた

 

 

蛇口を閉めてから社長を見ると

 

もう全身ずぶぬれ状態で尻もちをついて

唖然としている

 

 

私「ぶぐっ・・・!

  あっ・・・あの・・・しゃ・・・社長・・・!

  だ、大丈夫ですか・・・!?」

 

社長「・・・・・め・・・・めがね・・・」

 

私「あっあっ眼鏡!?

  眼鏡ね!?ありますよ!?

  ちょっと待ってくださいね!?」

 

 

吹っ飛んで行った眼鏡の所へ駆け寄り

眼鏡を丁寧に持ち上げる

 

 

う・・・うん

 

なんか泥だらけになってるけど

一応割れたりはしていないかな・・・

 

 

私「ど・・・どうぞ・・・」

 

社長「・・・えっルカさんは無事?

   水かかった?」

 

私「えっと・・・」

 

 

それがあの

 

社長と全く同じ態勢で同じ場所に居たはずなんですが

 

 

一滴も水かかってないんですよ・・・!!!

 

 

社長「なんか凄い速度で視界のこの辺から消えたな

   って記憶はうっすらあるんだけど・・・

   ごめん目が見えなくてルカさんが無事か分からない・・・」

 

 

いやあのすまん

 

私はマジで一切濡れてねぇんだわ・・・!

 

 

自分でも驚きを隠せないくらいの反射神経だった・・・

 

 

私「あの・・・無事じゃないのは社長だけで・・・

  ぐふっ

  私は一滴たりとも水がかかってませ・・・

  だいじょ・・・大丈夫ですか!?」

 

 

社長あの・・・

 

まずはその御髪を整えた方がよろしいかと・・・!

 

 

ひよこちゃんのようななけなしの毛が

濡れて大変な事になっておりまする・・・!!!

 

 

社長「ゲホッゲホッ!

   あー鼻に水入ってる・・・

   いやルカさんが無事ならいいんだ・・・!

   水落としした時に蛇口全開にして

   そのままにしておいたんだろうな・・・」

 

 

そ・・・そうだね・・・

 

悲しい事故が発生してしまったね・・・

 

 

私「んっふん!!!

  えーっと!

  車からタオル持ってきますね!」

 

 

無理だ・・・!

この社長の姿を前にして

笑いをこらえ続ける事なんて出来ない!

 

ちょっと一旦車に戻って落ち着いてくるわ!

 

 

タオルを用意しながら一度冷静になった私は

再び社長の元へ戻った時

可能な限り社長を直視しないように細心の注意を払いながらタオルを渡した

 

 

社長「えっルカさん本当に何も濡れてないの!?」

 

私「えぇ

  強いて言うなら靴底が濡れたくらいですね」

 

社長「なんで!?」

 

私「えっと

  水が噴き出した瞬間

  ・・・あっあそこですね

  あそこ濡れてますけど

  私の足跡の形にくっきり濡れてない所あるじゃないですか

  あそこまで飛びのいてました」

 

社長「・・・・・・・・・・・・・え!?

   あの一瞬で!!!?

   ルカさんもしゃがんでたじゃん!!!」

 

私「はい」

 

社長「ここから3メートルくらいあるよ!!!?」

 

私「そうですね

  自分でも驚くくらいの速度で

  後ろに飛んでいきましたね

  多分しゃがんでたからこそ

  立ち上がる勢いで一瞬にして後ろに飛べたんだと」

 

社長「すごい反射神経じゃない!!!!?」

 

 

やっぱり山で遊んでるからかなぁー

 

何かに引っかかってた木の枝が

ビュン!と突然顔面目掛けてくる事とかもようあって

そういうのをかわしたりしてるし

足場が突然崩れるなんて事もようあるし

 

それで自ずと反射神経が鍛えられてるのかも

 

 

・・・まぁそれにしたって

 

貴方は無反応過ぎて酷かったけど・・・!!!

 

 

 

って言うか

 

もしかして・・・

私のさっきの振る舞いって最悪だったのでは・・・!?

 

 

社長を見捨てて自分だけ後方に飛んで行った挙句

のけぞって眼鏡が吹っ飛んで行った社長を見て大爆笑って

これは大問題なのではなかろうか・・・!!!?

 

 

いやこれは敢えて何も言わずに・・・

 

 

社長「俺だけおいて・・・

   凄い速度で逃げたんだね・・・」

 

 

あっ!!!

 

気付いてしまった!!!?

 

 

私「す、すみません・・・

  考えるより早く身体が動いちゃって・・・!」

 

社長「いやルカさんが無事ならよかったけど・・・

   凄い所まで逃げたよね・・・」

 

 

すまんて!!!

 

ほんと悪かった!

 

 

でも

笑ってた事にはもしかしたら気付いていないのでは・・・?

 

それもそうか

 

私が大爆笑してた真っ最中

この人は蛇口から噴き出した水の直撃を顔面で受け止めていたんだから

笑い声どころか水の音しか聞こえんかっただろうよ・・・

 

 

ホッ・・・

 

 

ただこの日

 

会社へ戻ってからも

 

 

社長「そんでレバー倒したら水が噴き出して!

   ルカさん一瞬にして俺を置いて後ろに飛び跳ねて逃げてたの!

   ルカさん一滴も水かかってないのに

   俺だけ頭から靴の中までびっしょびしょ!!!

   すっごい速さで逃げてたんだから!」

 

 

という話を何度も何度もたくさんの人に話していた

 

 

 

いやあの・・・

 

 

 

一緒になってずぶ濡れになってやる筋合いもねぇから

俺悪くねぇし

 

そもそもお前

私が逃げてる所見てなかっただろ!!!!!?

 

 

社長「それに本当は鍵が必要なとこ

   マイナスドライバー使って簡単に開けてた」

 

 

いや

 

それはあらぬ誤解を招くから人に言わんでーーーー!!!!?