黒猫のワルツ

うっかり失言しても大丈夫

 

皆様こんにちは

 

先日

会社へやって来た外部の方に

現場王が

「うちの会社に四月から入社したマドンナです!」

と私の事を紹介しやがり

 

思わず虚空を見つめて

から笑いをしたLUKAでございます

 

 

いや・・・あの・・・

50代~60代の男性が多い職場で

30代後半あたりの独身女性が

何となく丁度良いってのは分かる・・・!

 

分かるけど

 

 

現実的には

 

『37歳マドンナ』ってすっげぇ痛々しいんだけど・・・!!!

 

 

 

さて

そんなマドンナ(笑)の私

 

幼い頃からお年寄りが大好きで

お年寄りにだったら

どんな口汚いセリフを吐かれようが

笑顔で許してまいりました

 

 

居るじゃん

 

中にはさ

 

可愛い人ばかりじゃないじゃん

 

介護の仕事とかやってる人は

よっぽど懐が深いんだろうなぁと思うよ

 

とてつもなく優しい人間じゃなきゃ続けられない仕事だと思う

 

お年寄りが好きな私だけれど

毎日四方八方をお年寄りに囲まれて過ごしていたら

多分段々イライラしてくると思うんだよね・・・

 

 

 

そして私の会社にも

お年寄りは存在している

 

その代表とも言えるのが『会長』だ

 

 

会長は御年80歳だかなんだか

 

そんな年齢で車で片道2時間の場所へ通ったり

畑仕事をしているってのがもう驚きだ

 

聞いた話によると

会社で歩いている時はヨボヨボだけれど

畑に居る時は大層良い動きをするらしい

 

 

ただ

 

もう80歳を超えているので

なかなか脳の働きは凄まじい・・・

 

つい先日は

ガソリン車に軽油をぶっこんで車をダメにした

 

 

そんな会長が

最近はずーーーっと会社に居る

 

春~秋までは農園(物凄い広さ)があるので

そっちに入り浸りらしいんだけれど

冬になると会社に居るようになるそうな

 

当然

それによって接触する機会が増える

 

 

会長「あぁちょっと!」

 

私「はい」

 

会長「あの~あれだ

   あんた冬道慣れてないって聞いたけど」

 

私「・・・・・・・・・?」

 

会長「まだ免許取りたてで冬走るの怖いだろうけど

   まぁーなんだあれだ・・・

   そのうちそういうのは慣れるもんだから

   ちょっと頑張って練習してよ」

 

 

え・・・・・・・・・?

 

 

えっと・・・

 

免許を取って私

もうかれこれ20年近く経つんですが・・・?

 

 

私「?????」

 

会長「これあげるから・・・」

 

 

ポケットからよく分からない物を取りだし

渡してきた

 

見るとそれは

小さな小袋に入った

「カステラ風のお菓子」

 

ズボンのポケットに入ってたから微妙にぬくい・・・

 

お年寄りってよくこういうのくれるよな・・・

ありがとう・・・

 

 

会長「今はまだ車運転する業務とかないけど

   そのうちこう・・・

   事務の仕事やりながらだと大変だけど

   そういうのもやってって欲しいんだわ」

 

 

めっちゃ会社の車で走り回ってますが???

 

 

え?

 

おいジジィ

お前一体誰と喋ってんだ???

 

 

私「会長・・・?

  私は免許を取って20年近く経っていますし

  雪道も慣れておりますし

  集金業務やその他諸々やっておりますが・・・?」

 

会長「・・・・・・・・あぁそうだね」

 

 

え!!!!?

 

何その反応!

 

あれ!?

なんか話が噛み合ってない気がするぞ!?

 

 

会長「まぁとにかくまだ運転慣れないだろうけど

   よろしく頼むわ」

 

 

いやいや!

運転慣れてますが!!!!?

 

20年近く毎日車使ってて慣れてなかったら

それはもう運転に向いていないとかそういう問題でもなく

とにかく免許を返納すべき大問題だと思うんですよ!

 

 

20歳の女の子と間違えたのかなぁ・・・

 

え・・・37歳の私と20歳の女の子を間違えて

話しかけてきた・・・?

 

そんな訳ないよな・・・

もしそうだったら20歳の子がマジギレするぞ

 

 

 

更には

毎日言ってくるのがこれ

 

 

会長「ルカさんのお母さん何してるの?」

 

私「定年退職して自由気ままに生活しております

  (何回目だよこの質問)」

 

会長「春から秋まで

   うちの農園で働かないか聞いてみて」

 

私「聞いてみましたが

  体力的に厳しいという事でした

  (何回目だよこの返答)」

 

会長「でも家にずっと居たら暇なんじゃないか」

 

私「これまでずっと働き続けてきた母ですから

  ようやくゆっくりやりたい事を出来るようになった今

  やりたい事をやらせてあげたいと思っております

  そもそも家にずっと居るような人でもないですし・・・

  (何回目だよこの返答!

   録音しておいて質問されたらそれ流すぞ!!!!)」

 

 

多分忘れちゃうんでしょうね・・・!

 

だけどもちろん私は怒らない

 

 

(またかぁー)と思いながら笑顔で返答している

 

 

というのも

加齢による色々な機能の低下って

完全な『明日は我が身』じゃないですか・・・

 

いずれは自分もそうなると思うと

とてもじゃないけれど冷たくする事なんて出来ない

 

 

まともさんや20歳の女の子は

結構お年寄りに対して容赦ないんですよね

 

物っ凄い可哀相になるようなセリフを言っちゃう

 

でもそういうのって

どんなにボケてきていても

相手に伝わっていると思うんです

 

今の職場に入社してから

何度も何度も

そういうセリフを言われて悲しそうな目になったお年寄りを見てきた

 

 

可哀相!!!

 

お年寄りって象さんみたいな可愛い目をしてるでしょ!?

その目を見つめてみて!!!

そしたらそんな冷たい事言えなくなるはずだから・・・!

 

 

 

しかし先日

 

 

会長「あぁルカさんちょっと!」

 

私「はい」

 

会長「あれ・・・・・・・

   あのぉー・・・・・・・・・・・・・・」

 

私「・・・・・・・(笑顔で待つ)」

 

会長「あれだ・・・その・・・・・・・・・

   あの資料よ・・・・・・・・・・・・・・・・

   名前なんつったか・・・・・・・・・・・・・・

   あれは・・・・・・あのぉ・・・・・・・・・・・」

 

私「・・・・・・・(笑顔で待つ)」

 

 

急かさないよ!

 

いくらでも待ってあげるよ!

 

 

会長「あれだ・・・あぁ・・・

   そのーーーーつまり資料が欲しいのよ!

   あれの!!!!!」

 

 

どれの!!!!?

 

 

会長「名前なんつったか忘れたけど!

   資料が今日中に欲しいんだわ!」

 

 

だからなんの!!!!?

 

 

会長「いぇあぁ~~~~

   思い出せね!

   でもあんたなら分かるでしょ!!!?」

 

 

分からねぇよ!!!!!!!!!!

 

 

むしろなんで「あんたなら分かる」と思ったのか言えよ!

 

分かる訳がねぇだろ!

訳分かんねぇ事言ってんじゃねぇぞ!

 

 

ねぇせめてヒント出さない!!?

ここまで「資料」という単語以外

一切のヒント無かったからね!!!?

 

 

私「・・・・・・なんの資料でしょう」

 

会長「だから!!!あれさ・・・!!!

   あのぉ・・・!」

 

 

明らかにイライラしている会長

 

 

いや

落ち着こう・・・?

 

落ち着いたほうが思い出せると思うよ・・・?

 

 

私「仕事に関する資料ですよね?」

 

会長「いや違うんだ!!!」

 

 

えぇぇ!!!?

そうなってくると滅茶苦茶幅が広がるねぇ!?

 

 

会長「あぁぁぁ・・・!

   だからあれなんだ・・・!!!?

   大体皆知ってる名前のやつだから!」

 

 

だからその名前はなんなの!!!?

 

 

私「じゃあ・・・

  何に使う資料なんでしょうか?」

 

会長「それは・・・あれだ・・・

   俺がちょっと知りたかっただけだ!」

 

 

ことごとく幅を広げてくるなぁ・・・!!!

 

 

 

 

こちらからヒントに繋がりそうな情報をいくつも提示するも

どれひとつとして解決には繋がらず

 

10分ほど

そんな不毛なやり取りが続いた

 

 

気の長い話ですよ!!!

 

まともさんだったら絶対1分目で

「そんなんで分かる訳ないしょ!

 バカじゃないの!?」

って言い放ってたわ・・・!

 

 

会長「とりあえずやってくれ!」

 

私「会長・・・

  それでは何の資料を作成したらいいのか

  全く分からないので・・・

  思い出したらまた声をかけて頂けますか・・・?」

 

会長「あぁ・・・仕方ないなぁ・・・!チッ!」

 

 

舌打ちされましてもぉ~!

 

 

その後

会長はいら立った様子で

サーマルカメラの前に立って体温を計測しようとした

 

・・・が

 

サーマルカメラが全く反応しない

 

 

会長が身体を揺らしたりしても

これっぽっちも反応しない

 

 

生きた人間として認識されていない・・・

 

何故なんだ・・・

 

 

次の瞬間

 

会長はいら立った様子で

 

 

サーマルカメラを叩いた

 

 

会長「バンッ!!!

 

私「おい昭和のテレビじゃねぇんだぞ」

 

 

やべっ!!!!!

 

思わず素の喋り方でツッコミ入れちゃった!!!

 

 

自分で自分の放ったセリフにびっくりしながら

ハッとして会長を見ると

 

 

・・・どうやら

私の言葉は聞こえちゃいなかったようだった

 

 

耳が遠いからね!?

 

うわぁ良かったぁ!!!!!

 

 

あぶねぇあぶねぇ!

間一髪だったぜ!

 

 

安心してパソコンに向き直った私は

 

ふと思った

 

 

私って

 

 

お年寄りのこういう所が好きなのかも・・・