黒猫のワルツ

そここそ忘れていて良かった

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

 

以前から何度か記事にしてきたけれど

 

 

私は記憶力が悪い

 

 

「絶対これは覚える!」と決めた事に関しては

どんなものであろうとほぼ一発で記憶する事が出来るんだけれど

(国語の教科書数ページ丸暗記だって可能)

 

そういった自覚は無いけれど

「興味ねぇや」と思っている事に関しては

自分でも驚くほどに頭に入って来ない

 

 

その性質の中で最も私が「これ困るんだよなぁー!」と思っているジャンルが

『人の名前と顔』

 

仕事が覚えられねぇとか勉強が覚えられねぇとかに関しては

工夫次第でどうとでもなるんですよ

 

職種にもよるのかもしれないけれど

覚えなくても(私みたいなバカでも)出来る仕組みさえ構築してしまえば

ほんっとどうとでもなる!

 

 

だけど

 

人の顔と名前が覚えられない事に関しては

マジでどうにもならねぇ

 

36年生きてきて

このせいでピンチに陥った事は数知れず

 

 

という訳で先日

以前の職場で10年近く一緒に働いていた人をスーパーで見かけ

 

滅茶苦茶動揺した

 

 

以前の職場に私が勤めていた期間は11年

そのうちの10年近くを一緒に働いていて

幾度となく名前を呼び

幾度となく談笑をして

幾度となく一緒に仕事をしてきたその相手をスーパーで見かけ

 

 

(ん・・・!?

 やっべぇ・・・!

 顔は分かるけど名前全然思い出せねぇ!!!)

 

 

ですよ・・・

 

自分で自分に失望

 

 

おかしな話ですよ

家族と一緒に過ごした時間よりも

圧倒的に長い時間を同じ建物内で過ごしてきたはずなのに

これっぽっちも「名前」が記憶に残っていないんですから

 

 

多分ねぇ・・・

 

た行の何かが・・・苗字に含まれていた気がするんだよなぁ・・・

 

た・・・ち・・・つ・・・て・・・と・・・

 

うぅーーーーん!!!

 

 

私はどうしたかっちゅーと

相手はまだこちらに気付いていなかったので

(名前思い出せねぇ!)

と思った瞬間に

 

慌てて死角になるような陳列コースに入り込んだ

 

 

逃げるが勝ちである

 

 

顔を合わせて万が一話しかけられようものなら

(退職してまだ半年ちょっとだから話しかけられる可能性が高すぎる)

もう全然会話に集中出来ないからね・・・!

 

この人の名前は!!?

 

君の名は!!!!?

 

 

これで頭いっぱいになる

 

 

名前を呼ばざるを得ないような会話の流れになった場合

いかにして不自然さ無く名前を呼ばずに会話を続けられるか

という高度な話術も必要になってくる

 

 

厳しい・・・!

 

名前を覚えていないばっかりにこんな恐怖と闘わなければならないとは・・・!

 

 

 

話はびっくりするほど変わりまして

 

私が高校1年生の時

クラスに『もとき君』という男の子が存在していた

 

もとき君は

「ごっつぁんです!」というセリフがよく似合いそうな

とてつもなく体格の良い男の子

 

思春期だからかなぁー

ニキビ跡がたくさん残っている子だった

 

 

高校に入学してすぐの時

出席番号順に席に座っており

私の席は向かって廊下側の後ろから2~3列目

 

もとき君の席は

窓側の前から2番目

 

 

かなり席は離れていた

 

 

そしてもとき君は

 

 

入学から3日で

 

 

登校拒否児になった

 

 

早い!!!

 

もとき君が登校しなくなって1~2週間で

私が思ったのは

「まだ学校にもクラスにも馴染めていないこの段階で

 これだけ長期間休んでしまったら

 学校には来にくくなるだろうな」

だった

 

そういった理由もあったか無かったか知らないけれど

 

もとき君はそのまま二度と登校する事無く

進級する事も無く退学してしまった

 

 

ただね

 

私が通っていた学校って

退学者が異様に多かったんですよ

 

私が1年生の時のクラスで言えば

40人ちょっと居たはずなんだけれど

2年生になる時には30人程度まで減っていた

 

8クラスあったその学年での退学者が

1年生の段階で30人近く居たんじゃなかったかなぁ?

 

 

学年の退学者30人のうち10人が

私が居たクラスから出ていたというのは

何というか・・・

うん・・・何でしょうね・・・

 

色々偏っていたんでしょうね・・・

 

 

元々その学校に入学する生徒自体

ちょっと偏った人が多かった気がしている

 

あまり学が無くても入れる高校だったという事もあって

①真面目だけれど何故か極端に勉強が出来ない→普通科

②不真面目で当然勉強も出来ない→普通科

③真面目で勉強出来るけれど第一志望校落ちた→進学科

 

中間が居ない

 

普通な雰囲気で普通に勉強出来る

みたいな人が全然居ない

 

 

ちなみに私は②ですね

 

本当にごめんなさい・・・!!!

 

 

そんな偏った人たちの集団だから

①と②と③の間にかなり大きな溝があったんですよ

 

あまりこの3種類の人たちが相容れる要素って無かった

 

 

 

①は②を怖がって近付かないし

①は③と接点すら持とうとしない

 

②は・・・①をいじめるような事は無かったけれど

わざわざ関わって行くような事も無かったし

②が③に関わろうとすれば

③が拒絶反応を起こす

(すっげー冷たい目で見られたりしちゃう)

 

③はかなりプライドも高かったので

①と②をバカにしている節があったから

当然関わりに行く事も無ければ

関わって来ようとしたものは排除!!!

なんなら③の担任の先生が

「うちのクラスの生徒に関わらないで頂戴!」とか言っちゃう人だった

(私が高校時代最も親しくしていた友人は③の生徒だったけれど

 その子はかなり特殊で結局進学せずにモデルになった)

 

 

なので

 

①が退学する理由は大概

②が怖くて学校に馴染めない

みたいな理由だったりしたし

 

②が退学する理由は大概

妊娠・単位不足・暴行事件やら・・・まぁその・・・

素行不良によるもの・・・?

 

③は基本的に退学者は出ない!

 

 

もとき君は恐らく

気が弱い性格だったんじゃないかなぁ

 

入学から3日目で登校拒否だから

中学時代もどうだったか怪しい所である

 

私がこんな事を言うのもおかしいけれど

あんな(②が9割を占めていた)クラスでは

もとき君は遅かれ早かれ逃げ出していたと思う

 

 

 

先日

 

最近兄夫婦の家で焼き肉をする事が多かったので

その時に使用する使い捨ての皿を買おうと思い

会社の近くの業務用の容器専門店へ買い物に行った私

 

棚を順番に見ながら

あれこれカゴに詰め込んでいく

 

だけど

ボウル型になった使い捨ての器が見付けられず

数分探した所で諦めて

店員さんに場所を確認する事にした

 

歩き回ってようやく

恰幅の良いエプロン姿の男性の後ろ姿を発見!

 

 

私「すみませーん!」

 

男性「はっ・・・はい!」

 

 

そして

振り返った男性店員を見た瞬間

 

 

私は心の中で叫んだ

 

 

 

もとき君!!!!!

 

 

たった

 

たった3度しか見た事が無い

高校時代のクラスメイトの名前が

一瞬にして凄い勢いで頭に浮かんできた

 

 

あっあっ!

この人もとき君!

 

絶対もとき君!!!

 

 

思わず焦って

ネームプレート的な物を身に着けていないか確認すると

首からネームがぶら下がっていた

 

・・・が

 

裏返し

 

 

くっ・・・!

絶対・・・絶対もとき君なのに・・・!

本当にそうなのかどうか確認出来ねぇ・・・!!!

 

 

私「あっ・・・あのー・・・えーっと(ネームに夢中)

  あっ!

  こういう・・・紙製でもアルミ製でもいいんですけど

  ボウル型の使い捨ての器ってありますか?」

 

男性「・・・・・・あ・・・・はい・・・」

 

 

ついて来て!

みたいな雰囲気すらも一切出さずに

ちょっとうつむいた状態で歩き出すもとき君(?)

 

えぇー・・・コミュ障かなぁ・・・?

 

そこは

「どうぞこちらです」とか

「少々お待ちください」とかなんとか言わないと

ここで待っていたら良いのかついて行ったら良いのか

全然分からねぇよ・・・!

 

 

数秒立ち止まったままもとき君(?)の後ろ姿を見ていたが

何となくついて行った方が良いのかな?

と思い

小走りでもとき君(?)に駆け寄る私

 

 

男性「ここ・・・です・・・」

 

私「あぁ!ありがとうございます!」

 

 

棚には私が理想としていた器が並べられていた

 

なーんだ!

容器コーナーじゃなくて割り箸コーナーにあったのかぁ!

 

 

そしてもとき君(?)が元居た場所へ戻ろうと

くるっとこちらを向いた瞬間

 

裏返しになっていたネームもくるっ!

 

 

 

そこには大きな文字で

 

 

もとき』という苗字が書かれていた

 

 

 

うぉおおおおおおーーーー!!!

ほらぁぁぁぁーーーーきたこれぇぇぇ!!!

 

もとき君でしょー!?

知ってるー!!!

 

君は絶対私の事知らないと思うけど

私は君を知ってるよ!!!

 

窓際の前から2番目の席に3日間だけ座ってたもとき君!!!

 

 

だからと言って

話しかけた所で絶対向こうはこちらを知りもしないだろうし

名前を覚えていたからどうだって話でもない

 

しかし

『名前が当たっていた』という事に

これまでにない喜びを感じながら店を後にした私

 

 

車に乗り込んだ瞬間思った

 

 

 

え・・・・・・・・・

 

 

10年近く一緒に働いた仲間は半年で忘れて

 

3日間何の接点も無く過ごしただけの

もはや顔見知りとも言えない人は20年経っても忘れないって

 

 

 

私の記憶力ってどういう仕組みになってんの・・・!!!?