黒猫のワルツ

解決して何より

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

 

私が以前まで勤めていた会社は

基本的にはお上品な方々が多く

言葉遣いが悪い人が居ると

ただの日常会話の中ですらちょっと怖がる人が居るほどだった

 

 

そして今の会社は

 

 

打って変わって

 

 

皆酷く粗暴である

 

 

もちろん

私自身も酷い家庭環境で育ったお陰で

素の言葉遣いは恐ろしく酷いものだし

理性が吹っ飛ぶほど怒るとそういうのが出ちゃう

 

相手が手を出してくる素振りを見せただけで

うっかり先に手も足も出ちゃう

 

 

その後

「うぉおおおまたやってしまったぁぁぁ!

 恥ずかしいぃぃ!!!」

と後悔しまくるので

可能な限り理性を保てるように頑張ってはいる

 

だけど

『三つ子の魂百まで』

という言葉があるように

人間の本質はそう簡単には変わっちゃくれない

 

何度も何度も生き恥を晒しては

「恥ずかしいぃぃぃぃ!!!」

と後悔しながら生きていくんでしょう

 

 

だけど

そんな「根っこの部分は粗暴」な私にとって

今の会社は非常に生きやすい場所でもある

 

お上品な人なんて一人も居ない!

 

お上品な人から見たら多分

『誰もが皆喧嘩腰』!

 

 

何気ない日常会話すらも

言葉遣いの悪さで凶悪な雰囲気が出ている

 

 

そんな会社で

先日

 

いつもにも増して作業員の男性たちが殺気立っている日があった

 

 

男性1「あの野郎舐めやがって!!!

    やるならやってやりゃぁ良かっただろ!

    何黙って言わせてんだおめぇよ!!!」

 

男性2「んな事言ったってあそこで手ぇ出したらやべぇと思ったからだろ!

    やって良かったんか!?あぁん!!?」

 

男性3「あいつらマジで頭いかれてやがるわ!

    一回やってやんねぇと分かんねぇんじゃねぇのか!」

 

 

おやまぁ・・・

 

一体どうした事でしょう・・・

 

 

だけど

 

社内で唯一

虫も殺さぬ雰囲気の設計担当のおじさんと

私が毎日補充している

飴が入った小さなカゴから

飴を取って食べるいかつい男性作業員たち

 

 

男性2「あっ!これうめぇやつだ!!!」

 

男性1「あっ俺の好きなやつだ!センス良いな!!!」

 

 

そうでしょうそうでしょう!?

それは私が買って来た飴ですよ!

おいしいですか!?

 

どんなにいかつくって怒り狂っていても

飴を食べる姿は可愛いですねぇ・・・!

 

 

男性3「俺はあれだ!

    丹切り飴とかの方が好きだな!」

 

 

じゃあ次は丹切り飴買って来ましょうかね

 

 

その後も

続々帰ってくる作業員さん達は

とにもかくにも全員が殺気立っていた

 

 

どうやら

作業をしている現場で

他の会社の作業員さん達と喧嘩になったらしい

 

その会社というのが

何でも非常に血気盛んな作業員さん達が多く

これまでにもいくつもの現場で

あらゆる会社の作業員さんと揉めており

「あそこが関わるならうちは手を引く」

と言って仕事を断るほどらしい

 

 

そして

この揉め事の報告を受けて

一番いきり立ったのが

 

 

社長だった

 

 

社長「うちの連中が現場で舐めた口きかれて

   黙ってられっか!!!

   要するにうちを舐めてるっつー事だべ!?

   俺が直接あっちに乗り込んで話つけてやっかぁ!?

   あぁん!!!?」

 

 

社長

 

社長って・・・

そういう感じじゃ駄目だと思うんだ・・・!

 

皆が行き過ぎた行動を取らないように

話し合いで解決をするようなだめるのが良いと思うの・・・!

 

 

しかし

頭に血が上った社長は

誰よりも厄介だった

 

翌日になっても社内で大声で文句を言いながら歩き回り

何だか知らないけれど

ドアをバァァァーーーン!と閉める有様

 

 

これにはびっくり!

 

 

えぇぇぇ・・・ドア壊れるけど・・・!?

 

 

なんだこれ・・・

 

でっけぇ子供が居るんだが・・・!?

 

 

私「えっ・・・

  何なの・・・

  あれって駄目じゃない?

  物に八つ当たりとかちょっと信じられないんだけど・・・」

 

20歳「いっつもだよー

    頭おかしいよねぇ~」

 

私「い、いつもなんだ

  誰もあれを注意しないの・・・?」

 

20歳「注意しないよ!

    放っておけばいいんだよあんなの」

 

 

いや・・・

 

だけど社長という立場で

まるで子供のように感情を物にぶつけるというのは

何というか物凄く駄目だと思うんだよね・・・!?

 

何故だかやたらと作業員さん達から

馬鹿にされている社長だと思っていたけれど

確かにこれを見たらちょっと・・・

 

分からないでもなくなってくるぞ・・・!?

 

 

って言うか

見ているこっちが恥ずかしくない・・・?

 

目も当てられないって感じちゃうの私だけ・・・?

 

社長としてとか以前に

社会人として駄目過ぎないか・・・???

 

 

しかし

20歳の女の子が言う通り

社長が何度ドアをバァァァーーーン!と閉めようが

大声で文句を言いながら歩き回ろうが

それを注意する人は誰一人居なかった

 

親族経営だからこうなるの?

 

駄目な事は駄目だと教えて諫めてあげる人が居なかったから

こんなわがままな振る舞いをする大人に成長したの?

 

 

私ちょっとこういう人苦手だなぁ~!

 

あまり好き嫌いは無い方だけれど

物に八つ当たりするタイプの人だけは

昔っから好きになれなかった

 

 

そしてその日の夕方

 

 

社長「気に入らねぇからあっちの社長呼び出してやるわ!

   ガツンと言ってやらねぇと気が済まねぇ!」

 

 

そう言って社長は

現場で作業員の人たちが揉めた会社に電話をかけながら

社長室へ戻って行った

 

 

・・・が

社長室と事務所に繋がる窓が開いており

中から社長の声が聞こえてきていた

 

 

その社長の喋りは

ついさっきまでとは打って変わって

 

何というか・・・

 

こう・・・ね

 

 

社長「あ、あぁーどうもー

   〇〇です!

   いつもお世話になっております!

   なんだかうちの従業員が昨日・・・あっ!そうですか!

   話聞いてましたか!」

 

 

・・・・・・・・あれ?

 

ガツンと言ってや・・・あれ???

 

 

社長「あっあー・・・そうなんですかぁ!

   いやいや!こちらは全然!

   あっ!はい!いやぁどうしたもんかなと思ってたんですけど!」

 

 

なんか・・・違う

 

思ってたのと違う

 

いや

良いんだけどね!?

下手に揉め続けるよりは良いんだけど

なんか随分その・・・さっきまでとこう・・・

トーンが違いすぎるんじゃないですかね・・・!?

 

 

そこから20分ほど電話で喋っており

 

最終的に

 

 

社長「いやぁそういう事ならうちが全面的に悪いですよねぇ!

   申し訳ない!

   これからも!どうぞ!

   どうぞよろしくお願いします!

   はい!はい!では!失礼いたします!」

 

 

 

どうなんだろうか・・・

 

全面的に非を認めちゃってるけど・・・

昨日の作業員さんたちの話では

向こうの作業員さんがうちの備品を勝手に持って行って

返して欲しいって言ったのに返してくれなかった

って所から揉めたらしいじゃん・・・?

 

なのに非があるのはこっち・・・なんでしょうかね・・・

 

ちょっと分からない・・・

 

 

そして社長室を出てきた社長は

面白い事を口にした

 

 

社長「あっちの社長にガツンと言ってやったわ!!!

   二度と舐めた口きいてこれねぇぞ!

   まぁーなんつーの?

   謝罪の言葉も聞けたし今回は大目に見てやるわ!」

 

 

やっべぇ・・・!!!

 

絶対これ笑っちゃ駄目なのに

我慢出来る気がしねぇ・・・!!!

 

 

社長室の窓開きっ放しになってる事に

どうか気付かないでくれ・・・!!!

 

これ電話の内容が全部こっち側に聞こえてた

なんて気付いたら

並の精神力じゃ生きて行けねぇくらい恥ずかしいやつ・・・!

 

 

まとも「解決したなら良かった」

 

社長「呼び出してやろうと思ってたんだけどな!

   なんか向こうもビビってたみたいだしな!」

 

まとも「ふーん」

 

 

立ちあがったまともさんが

 

静かに社長室の方へ向かって歩き出し

 

静かに

 

 

社長室と事務所側を繋ぐ窓を閉めた

 

 

カラカラカラッ

 

 

まとも「話・・・中で聞くわ」

 

社長「あっ・・・・・・・・・・うん」

 

 

思わず

社長が居る方とは反対の

20歳の女の子が居る方に顔を背けて

ぎゅっと目を瞑る私

 

 

くっ・・・苦しい・・・・・・!!!

 

こんなに笑える状況なのに

どうして誰一人笑わず真顔で居られるのっ・・・!?

 

 

何この会社・・・

 

 

いつか私

 

 

笑い殺される気しかしないんですが・・・!!!