黒猫のワルツ

いじられキャラ

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

私が現在勤めている会社には

面白いおじさんたちが非常に多く勤めている

 

どの人も個性的で

「あ・・・この人素朴(普通)・・・」

と私が思った男性は

 

 

たった一人だけ

 

 

一番私がよく会話をし

一番信頼出来ると思っているのもその人なんだけれど

現場監督をやっているその人は

至って普通で至って精神力も並

 

強烈なおじさんたちにはいつだってたじたじで

何かおかしな事を言われるとすぐに

(えぇーーーー!?)みたいなのが顔に出る

 

 

分かるよ・・・!!!

 

気持ちは非常によく分かる!

 

きっとそれは貴方があまりにも普通だから

突然の不条理に対応しきれなくてびっくりしちゃってんだよね・・・!?

 

 

そんな彼はたまに

ボソッと私にだけ聞こえる声量で本音を漏らす

 

 

素朴「・・・あの人ほんと変わってんなぁ・・・(ぼそっ)」

 

素朴「・・・あそこであんな怒る・・・?(ぼそっ)」

 

素朴「・・・えっ言うだけ言って居なくなるの・・・?(ぼそっ)」

 

素朴「・・・会社下から電話かけてきて伝言頼むほどの事なの・・・

   今上がってくるなら自分で直接言えばいいのに・・・(ぼそっ)」

 

 

私は彼のそんなつぶやきが

面白くて仕方ない

 

もちろん他の人たちの

『突然キレ出す』『物に八つ当たりする』『とにかくやる気ゼロ』

『酒を飲む事しか考えていない』『聞こえないふりをする』

といった行動自体も笑えるんだけれど

 

それに対するつぶやきツッコミが

最高に私の脳内ツッコミとリンクしていて笑えるのだ

 

まるで私の心の中で思っている事を

そのまま言葉にしてくれているかのようである

 

 

彼はいつだって

誰かの驚きの行動に対して

ボソッとつぶやいてツッコミを入れる立場

 

そのツッコミが聞こえているのは私だけだけれど

どのツッコミも全くもって『ごもっとも』

 

 

しかし

そんな素朴な現場監督的な人も

ついにツッコミを入れられる立場になる日がやってきた

 

 

その日は大きな現場での作業が入っており

現場王も作業員さん達と一緒に現場へ足を運び

あれこれと指示を出す事になっていた

 

そんな現場王の帰りを

いまかいまかと待っていたのは

もう一つの現場での指揮を終わらせて

先に帰社していた現場監督

 

 

素朴「まだ帰って来てないよね?」

 

私「そうですね

  まだ誰も戻っていないですね」

 

素朴「確認しなきゃいけない事あるんだけど

   電話かけても電話に出ないし

   ちょっと困ってるんだよね・・・」

 

私「もうじき戻る予定の時間ですけど

  急ぎなんですか?」

 

素朴「急ぎと言えば急ぎなんだけど・・・

   連絡つかない以上待つしかないよね・・・

   もし戻ってきたら教えてくれる?」

 

私「分かりました」

 

 

それから数分後

 

一人

 

また一人と現場作業員さんが戻り始めた

 

 

しかし

その中に現場王の姿は見えない

 

 

素朴「現場王居た?」

 

私「いえ

  他の方々は戻り始めたんですけど・・・」

 

 

ジッと玄関の辺りを見つめる現場監督

 

 

素朴「さっきまた電話してみたんだけど

   やっぱり出なくて・・・」

 

私「そうなんですか」

 

 

そこへ

いつも威勢の良いおじさん作業員さんが帰って来た

 

 

威勢「お疲れぃっ!!!」

 

私「お疲れ様です」

 

素朴「お疲れ様です」

 

威勢「かぁーーーっ!あっちぃなぁ!

   今日は駄目だわぁ蒸し暑くてやってらんねぇわ!」

 

素朴「・・・・・・・・・あの

   現場王は?」

 

威勢「はぁ!?」

 

素朴「現場王探してるんだけど」

 

威勢「知らねぇよぉ!?」

 

 

そうか・・・

 

 

威勢「なんで俺が現場王の居場所知ってると思うんだよ!」

 

 

えっ

だって皆と一緒だったんじゃ

 

 

威勢「俺現場王の何よ!!?」

 

 

その瞬間

 

 

私「ぶふっ!」

 

 

吹き出し

 

 

確かに・・・!!!

 

私も以前の会社で

『お偉いさん達の席の近くに座っているから』

という理由だけで

やたらと「お偉いさんは?」と聞かれる事があった

 

知らねぇよ!!!

私はあいつらの秘書でも嫁でもなんでもねぇんだ!

あいつらがどこに居るかなんか知ったこっちゃねぇ!

といつだって思っていた

 

 

それがまさに今目の前で再現されたのだ

 

 

素朴「えっだって一緒だったんじゃ」

 

威勢「俺が現場王のなんだってのよ!!!」

 

私「嫁か秘書か介護士か愛人か

  いずれかでしょうかね」

 

威勢「な!!!?だろ!!!!?

   そうじゃなきゃ知りえねぇよな!!?

   「今どこ!?」「今何してんの!?」って

   常に聞いてなきゃならねぇのかよ!

   俺は重たい彼女かよ!!!」

 

素朴「えっ!現場で一緒だったんじゃないの!?」

 

威勢「俺現場王の女じゃねぇし!!!」

 

私「はははっ」

 

威勢「つーのは冗談で

   現場から真っ直ぐどっか行った!」

 

素朴「どっか!!!?」

 

威勢「パチンコじゃねぇかな!」

 

素朴「パチンコ!!!?」

 

威勢「あっ違った

   スナックだった!」

 

素朴「えぇっ!!!?」

 

威勢「なぁ現場王スナック行ったよな!?」

 

作業員「あ、あーなんかそんな事言ってたかも」

 

素朴「えぇぇっ!!!?」

 

 

その時私は

ある事に気付いた

 

 

素朴「す・・・スナック・・・?

   こんな時間に・・・あっでも・・・

   もうすぐ夕方だから・・・・・・・」

 

 

これを聞いて再び笑い始める私

 

 

威勢「んじゃ俺片付け行って来るわ!

   なんか用あるなら電話入れておきゃ

   気付いた時に電話かけなおしてくるだろうから

   黙って待っとけ!」

 

私「行ってらっしゃーい」

 

素朴「あ・・・うん・・・」

 

 

その場に残された現場監督

 

 

素朴「・・・まだ就業時間内なのに・・・スナック・・・(ぼそっ)」

 

 

あの

 

あのな?

 

 

さっき誰かが

『スナックからの修理依頼』が入って

それで現場王に連絡入れてたから

 

それでスナック行ったんだと思うぞ・・・?

 

 

 

だけど

 

 

混乱する現場監督が面白過ぎるから

敢えて何も言わないでおくね・・・!!!