黒猫のワルツ

フルフェイスのマスクが欲しかった

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

先日の仕事中の事

 

会社の玄関が開き

割と好みの男性の声が響いてきた

 

 

男「お荷物お届けに参りました~!」

 

私「はぁーいどーもー!」

 

 

デスクの上に置かれたシャチハタを手に取り

顔を上げて運送会社の人の顔を見た瞬間

 

 

 

私も

 

相手も

 

 

二度見した

 

 

私「・・・・・・・・・・・・」

 

男「・・・・・・・・・・・・」

 

 

あっ・・・こ・・・れは・・・

 

お互いに

5秒ほどお互いの顔を見た後

 

どちらからともなく気まずそうに目を逸らす

 

 

えっ・・・えーっと・・・

 

 

男「・・・・・・・あっ

  おにもっ・・・こっこちら・・・あー・・・」

 

私「あっあっ・・・はい・・・」

 

 

非常に奇妙な空気が流れる中

小さな小包を受け取る私

 

 

いや・・・!?

 

ワンチャンこれはあれだ!

 

マスクしてるからこのままそっぽ向いて知らん顔してればバレな

 

 

男「あっ・・・サインお願いします・・・」

 

私「あっ・・・ですよね・・・(察した)」

 

 

バレない訳がなかった

 

 

仕方なく受領証に判を押す

 

 

はいどーも

私の名前はこれですよ

 

もちろん知ってるでしょうけど・・・!!!

 

 

お互いの間に気まずい空気が流れる

 

 

恐らくお互いに

「どう接したらいいのか」が分からない状態なのだろう

 

向こうの目を見る限りでは

私に対して嫌悪感を抱いている雰囲気は無いし

こちらももちろんそう

 

ただただ

 

「声を掛けるべきか否か」をお互いに探っている感じだった

 

 

私「・・・・・・・・・・・どーもー・・・」

 

男「・・・・・・・・・・・どーもー・・・」

 

 

こうして運送会社の男性は

受領証を受け取って会社を後にし

私は荷物を受け取って席へ戻った

 

 

そして私は

 

過去を思い出した

 

 

この男性と最初に出会ったのは

まぁー見事に私を捨てて北海道から飛び出した

18歳の頃に交際していた男性と別れた直後の事だった

 

驚く事に

私を捨てて北海道から飛び出した男性と

見事なまでにそっくりな人物だった

 

 

身長・顔・体型・性格

どれを取ってもそっくりで

誰が見ても「そっくり!」と言うほど

 

「僕たち兄弟です!」と言って並ばれたら

恐らく100人中100人がそれを信じるほどのものだった

 

 

ただ私は当時

 

非常に荒れ狂っていた

 

 

自分を捨てて北海道から飛び出した男性の事で

泣く事も本音をぶつける事も出来ず

仕事に没頭しながらも

周りからの

「失恋には新しい恋だよ!」

という言葉を信じて

 

狂ったように男性をとっかえひっかえしていた

 

 

いつかピッタリの人が見つかるはず!

 

 

そう信じて疑わなかったのだ

 

 

当時は自分が相当へこんでいる

なんて事を露ほども自覚しておらず

そういう行動に走っていた理由も

「あの時私は失恋の痛手で狂ってしまっていたのだ・・・」

と後になってから気付いたくらいだった

 

 

そしてそれから2年後

 

散々色々な男性と交際しまくった挙句

 

私は

 

私を捨てて北海道を飛び出した彼にそっくりな男性と

『都合の良い関係』を結ぶ事になった

 

交際をしている訳ではない

 

向こうは『都合よく遊べる女性』を求めていたし

私は私で『顔と性格が似ているから代用で!』という

お互いにクッソみたいな理由で利害が一致してしまったのだ

 

 

お互いクズ

 

 

そんな彼とは

あー・・・どのくらいだろう

その『都合の良い関係』が2年くらい続いたのかなぁ・・・

 

交際している訳じゃない

という後ろめたさもあり

あまり人出の多い所へ出かける事も無く

会うのは決まって夜だった

 

 

だけど

その当時の私にとっては

それがとてつもなく心地の良いものだったのだ

 

 

普通の恋愛をしようとしても上手くいった試しが無い

 

本気になれば裏切られて嫌な思いをする

 

そもそも自分という人間が

人を本気で愛せる人間なのかどうかすら自信が無い

 

 

交際はせず

お互いにつかず離れず依存せずの関係を続けられて

人肌寂しい時にだけすがるというのは

その時の私にとっては『今自分に必要な物だけ与えてくれる』

都合の良いものだったのだ

 

 

ただ

それも永遠に続くものではなかった

 

2年ほどが経った頃から

彼は「遊園地へ行こう」「温泉へ行こう」「映画を観に行こう」

などと日中に会う事になるような予定を立てようとし始めたのだ

 

 

それに対して

何かおかしいな・・・

とは思いながらも

適度な距離を保って関係を続けていた私

 

 

しかしそんなある日の事

 

 

私の友人であり彼の知人でもある男性と

彼が突然

なかなか激しい喧嘩をしたのだ

 

 

どちらも温厚な性格で

喧嘩をするような人柄ではない

 

そこで彼に「一体何があったのか」を聞いたが

彼は一向に答えようとしない

 

 

仕方なく友人である男性から話を聞いた所

こうだった

 

 

Z君「お前との関係について口出ししたら殴られた

   マジでお前のせい・・・!」

 

私「ふぉん!???」

 

Z君「「あんな遊びまくってる女となんで長く続けてるんだ」

   って言ったらめっちゃキレられたんだが・・・!?(爆笑)」

 

 

このZ君は私が中学生の頃からの友人で

残念ながらもう亡くなってしまった人物である

 

私の事を私よりもよく理解していたし

その上で叱る事もしてくれた大切な友人だった

 

だからそんなZ君に

「あんな遊びまくっている女」と呼ばれても

私としては何ら抵抗は無かった

 

 

むしろ

 

 

恥ずかしながら超真実だったし・・・!!!

 

 

私「ウケる・・・!(爆笑)

  本当の事言ってキレられるとか事故じゃん!

  なんであの人そんな事でキレたんだ!?」

 

Z君「マジでなぁ!

   俺なんもおかしい事言ってねぇし!

   お互い遊びだって認識だから軽い冗談みたいな感じで言ったら

   急にキレてびっくりしたっつーの!

   「何怒ってんの!?」って聞いたら

   「好きな女悪く言われて良い気する奴いねぇだろ!」

   っつって・・・!

   もーあっち本気になってるしょ!

   2年もそうやってりゃそういう風になるのも当然だし

   お前もそろそろちゃんと考えた方が良いんじゃねぇの?

   つーかお前に慰謝料請求したいわ!」

 

 

これを聞いた私は

 

 

 

焦った

 

 

多分

長く交際してきた彼女が突然

テーブルの上にゼクシィを置いてきた時の男性の心境は

こんな感じなんじゃないかと思う

 

 

やっべ・・・

そこまで考えてなかったのに・・・!!!

 

みたいな感じだった(クズである)

 

 

それから数週間後

 

彼と話し合った私は

やっぱり彼の気持ちが以前と変化してしまい

『遊び』では考えられなくなってしまった事を知り

 

しばらーく距離を置いて考えた後

 

 

お別れした

 

 

「ごめん!

 最初っから顔と性格が彼に似てるから良いって言ってたじゃん!

 それ以上もそれ以下も無いんだよ!マジで!

 スタートがスタートだったし

 全然こっちはそういう気持ちになれねぇわ!

 えっだって貴方私を信用出来るの!?出来ないでしょう!?

 私も貴方を信用出来ない!

 色々考えてみたけどこれは違う!!!

 って言うか最初に「お互い本気になるのは無しで」

 って話してたじゃん!!?

 破綻だよ破綻!」

 

ってな事を伝えた

 

 

ほんと私超クズ!!!

 

 

その後

私と彼が連絡を取ったのは2度だけ

(街中ですれ違うというパターンは度々ある)

 

 

共通の知人が亡くなった時に

葬儀の日時をお知らせする係が私に回ってきたので

仕方なく連絡を取るしかなかったのだ

 

だけど

その電話では向こうはまぁまぁ普通だった

 

 

対して

こっちは死ぬほど気まずかった

 

 

だってこう・・・

 

『相手が本気になった途端に焦って逃げ出す』とか

男性がそうする立場のお話は何度も耳にした事があるけれど

 

女性がそうする立場のお話ってまぁー聞いた事無い!

 

小悪魔と呼ばれる女性だと

相手を本気にさせて上手く転がす

みたいなのはあるかもしれないけれど

 

何て言うかこう・・・ね・・・

 

ここまでクズっぽいのはほんと

聞いた事が無いし

自分でも「あれは無いわ・・・」って思ってる

 

 

いやー参った

 

何なら恨まれていてもおかしくないくらいのお話である

 

 

というか

19歳から23歳くらいまでの私は

ほんっと男性に関してだらしが無くて

「夜道に気を付けな」みたいなメールが送られてくる事もしばしば

 

母からも「あばずれ!」と呼ばれ

なんかもう自分としても

恥ずかしくて恥ずかしくて仕方のない過去である

 

 

恥ずかしくて恥ずかしくて仕方のない過去だけれど

それも含めて今の自分ですからね・・・

やっちまったもんは仕方ねぇ・・・!

 

ポジティブな考え方をすると

「いやー今はほんっと落ち着いて良かったよねぇ!

 あの頃があったお陰かなぁー!!?」である

 

う・・・うん・・・

ね・・・?

 

あれらの反動で恋愛に興味なくなったのかなぁー!!!?

 

 

 

しかし

 

「やっちまったもんは仕方ねぇ!」と思っていても

それでもこうして過去と対面すると

 

恐ろしく恥ずかしいものである

 

 

ひとしきり過去を思い出した私は

自分の容赦ないクズ&ゲス&ビッチっぷりに

恥ずかしさのあまり耳まで真っ赤になり

 

勢いよく小包に頭をゴッ!!!とぶつけた

 

 

私「・・・・・・・・・(ゴッ!!!)」

 

20歳「!!!

    えっ・・・・・・?

    ルカさん・・・・・・?

    どっ・・・どうしたの・・・?」

 

私「・・・・・・・・・・・

  何となくこうしたくなって」

 

20歳「・・・・・・・・・・へぇ・・・」

 

 

小包の宛名を確認し

担当者のデスクに置きに行って自分のデスクへ戻って来た私

 

 

はぁぁぁぁ~~~!

 

この運送会社がこの会社へ来る時は

毎度顔を合わせる事になるのかぁー!

 

その度私は恥ずかしい過去と再び対面する事になるって事ね!

 

きっちぃなぁ!!!

 

 

20歳「ルカさんって・・・

    結構行動がおかしいですよね・・・」

 

私「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

えっ

 

 

あの

 

 

今しかおかしな事した記憶無いんですけど

 

 

普段どこがどうおかしいんですかぁぁぁあああ!!!?