黒猫のワルツ

町のなんでも屋 町を飛び出す

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

私の母は

私にとって

 

いつだって偉大だった

 

 

時に

人間の拳とは思えない程痛いげんこつを振りかざし

 

時に

大人とは思えないほどゲームにのめり込んで徹夜し

 

時に

周りが真っ暗になっても気付かず庭で遊び

 

時に

寝起きでめちゃくちゃ機嫌が悪くて不条理で

 

時に

涙を流して泣いちゃう

 

そんな母だけれど

いつだって私にとっては母だった

 

 

ちょっと・・・いや大分悪い家庭環境だった事もあり

私にとって母は

母でもあり父でもあった

 

 

私がどんなにやんちゃをやっても

私がどんなにケガをしても

私がどんなにバカないたずらをしても

おこら・・・れたな

 

怒られたけども・・・!

 

いつもちゃんと理由は聞いてくれた気がする

 

「どうしてそんな事やったんだ」

って事を聞いてくれた

 

どうしてってそんな真面目に聞かれても

「やりたかったから」としか答えようがないんだけどさ・・・

 

その懐の広さよ!!!

 

 

でも

私が母の立場だったら

とても私の母のようには振る舞えないと思うんですよね

 

私が言うのもなんだけど

私は私や兄のような子供たちの母親は出来ない!!!

 

「どうしてそんな事やったんだ」

って聞く前に

「ふざけんなぁぁああ!!!

 どこのバカが床に溶けたろうそくぶちまけるんだ!

 おめぇのせいで転んで頭ぶつけただろうがぁぁあ!

 殺す気かてめぇ!!!」

って殴り飛ばすと思う

 

 

そんで後日

多分うっかり箱に入れて山に置いてきちゃうと思う

 

 

昨今

子供絡みの酷い事件もよく見かけ

 

『母としての自覚を持て!』みたいな言葉をよく耳にするけれど

子供が生まれたその瞬間から

その人の性質が全て変わるなんて事はありえないじゃないですか

 

責任感が芽生えるとかそういうのはあるけれど

その人は『母親』である前に

『一人の人間』でもある訳だから

何というかこう・・・

女性の誰もが皆

子供が生まれたからと言って子供を一番に優先して考えられる

 ってわけではないはずですよね

 

その人自身の決意や覚悟

その人を取り巻く環境や性質による部分が大きいと思う

 

 

 

 

そういう事もある中

 

私の母が私の母であってくれて本当に良かった

 

 

私の母も

私の父のような人間だったなら

私今100%生きてない

 

子育てに心底興味を持てない人や

子供に愛を抱かない人や

子供に優しくない人って間違いなく存在している

 

 

幼い頃や若い頃の私なんて

マジでこれっぽっちも可愛げなかったと思うんだ

ただただ憎たらしいような時期もあったでしょう

 

それでも母が母として勤め続けてくれた事には

感謝しか無い

 

 

この際

寝起きの懐の狭さは気にしない

 

 

1mmくらいしか広さ無いけど気にしない・・・!

 

 

 

先日

会社にこんなお電話が入った

 

 

婆「うちのトイレに

  おしゅれっとというものを付けたいのだけれど」

 

 

おしゅれ・・・ウォシュレットな!?

 

 

最近は高齢者のお宅でも

ウォシュレットを取り付ける家が増えている

 

どこかで使ってみて

その良さを知ったんでしょうかね

 

あれは痔の人には必要不可欠な文明の利器である

 

一体誰があの仕組みを最初に思い付いたんでしょうね・・・

アメリカが最初に洗浄機能付き便座なる物を発明したらしいけれど

 

 

その人は・・・

 

・・・痔だったんかな・・・

 

 

お婆さんが快適なトイレライフを過ごせるようにと 

早速対応した私の会社

 

しかし

 

設置した翌日

朝一でまたそのお婆さんから電話がかかってきた

 

 

婆「あれやっぱり外してほしいのよ・・・」

 

私「!!!!!?

  何か不具合が・・・!?」

 

婆「あら違うの!違うのよ!?

  あれは本当に素晴らしいわ

  想像していたよりももっと素晴らしかったの」

 

私「えっ・・・・・・

  それでは何故・・・」

 

婆「あんまりにも素晴らしいからね・・・

  うちはもっと簡単な安い物にして頂けるかしら?」

 

私「・・・・・・・・・?」

 

婆「それでね

  うちにつけて頂いたあれを

  娘の家につけてあげて頂きたいの」

 

私「!!!!!!!!!!!」

 

婆「もちろんね

  それにかかる費用は全て私が支払いますよ

  だけどどうしてもね

  良い物だからこそ娘たちに使って欲しいと思ったのよ・・・

  私たちなんかはね

  どうせ生い先短い身の上だし

  こんなに素晴らしい物じゃなくたっていいのよ・・・

  どうかしら・・・やっぱり難しいかしら・・・」

 

 

な・・・

 

泣ける話じゃねぇかぁぁぁあああ!!!

 

 

これぞ母よ!!!

 

何歳になろうと子供は子供なんでしょうね!!?

 

 

自分たちの事よりも

いつだって子供の事を考えるこの精神!!!

 

とてもじゃないけれど私には真似出来ねぇ!

私はいつだって私の事しか考えていねぇ!!!

 

 

くぅぅぅーーー母ってやつぁ偉大だなぁ!!!

 

 

私「・・・・・・・・・(ちょっと涙出そう)」

 

婆「もう一度つけてしまったものだから

  無理よねぇ・・・?」

 

私「少々お待ちを!!!

  すぐに担当者に話をつけますので!!!」

 

 

すぐさま電話を保留にし

なんでも屋のお爺さんに相談をした私

 

 

爺「なんだもー仕方ねぇ婆さんだなぁ!

  自分で使ってりゃいいだろーがよ!

  娘ってそれ何歳よ!?

  婆さんもうあれ80くらいだったぞ!?

  娘も良い歳じゃねぇか!

  電話代わるわ!」

 

 

あぁ

 

これが典型的な男と女の違いだろうか

 

父親ってこんなもんなんでしょうね

母親とはこういう所が違う気がする

 

 

でもなんだかんだ言って

なんでも屋のお爺さんは対応してくれるから一安心である

 

お婆さん

あなたの望みはきっと叶うよ!

娘さん喜んでくれるといいね!!!

 

 

しばらく喋っていたお爺さん

 

 

電話を切った後

 

突然笑い出した

 

 

爺「ははははははっ!!!

  まーいったなぁこりゃぁ!」

 

私「!?」

 

爺「いやー話聞いてよぉ

  どーしても娘喜ばせたいっちゅーからよ!

  仕方ねぇなぁやってやるよ

  って言ったべや!」

 

私「わぁ!ありがとうございます!」

 

爺「したから娘の家どこか聞いたべや!」

 

私「はい!」

 

爺「びっくりすんぞ!!!

  ・・・〇〇市だってよ!!!」

 

私「・・・・・・・・・・・」

 

 

真顔になった私

 

 

何とそこは

 

私たちが住んでいる場所から

 

 

300kmも離れているのだ

 

 

私「ぶへぇぇぇぇ!!!?」

 

爺「ほんっとに参ったぜぇ!!!

  どーすんだこれぇ!!!

  俺来週やってやるって言ったけど

  この日一日予定組めなくなるぞこれぇ!」

 

 

お・・・お婆さん・・・

 

 

なんでも屋の爺さんは

一度引き受けたからには

あなたの愛(ウォシュレット便座)を300km先の

あなたの娘さんの元まで運びますよ・・・!!!

 

 

だけど

 

 

もうこういう愛の運び屋を依頼するのは勘弁してくれぇぇぇ!