黒猫のワルツ

抱きかかえられてぶらんとしてた

 

皆様こんにちは

LUKAでございます

 

 

先日

仕事を終えて帰宅した私は

 

ふと

車の中に忘れ物をした事に気付き

着替えてから駐車場に停めてある車へ行った

 

 

運転席のドアを開け

降ろし忘れていた財布をポケットに入れる

 

車から降りてドアを閉め

玄関の方に歩きだし・・・・・・た時

 

ふと

 

何かの視線を感じた

 

 

・・・・・・・ん???

 

 

立ち止まり

ゆっくり周囲を見渡す

 

 

すると

私の右斜め後方

相当遠くの位置で

 

 

犬を散歩させている人と

小さな小さなまるでぬいぐるみのような犬が

私をじーーーーっと見ていた

 

 

私「・・・・・・・・・・・・・」

 

犬「・・・・・・・・・・・・・」

 

飼い主「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

な・・・なになにーーー!!!?

 

なんかめっちゃ見られてるぅーーーー!!!

 

 

その小さなぬいぐるみのような犬は

以前から車の中から見かけていた子で

ふわっふわのポメラニアン

 

どうしてだかは分からないけれど

その子が私を遠くから見つめているのである

 

 

私「・・・・・・・・・・・・・」

 

犬「・・・・・・・・・・・・・」

 

飼い主「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

全く動かない2人と1匹

 

 

私は

飼い主さんと犬を交互に観察した

 

 

飼い主さん:困った表情

 

犬:触って欲しそうに見える

 

飼い主さん:困った表情

 

犬:触って欲しそうに見える

 

飼い主さん:苦笑いで会釈

 

 

私「!!!!!!!!!」

 

 

あっ!

 

これは触らせてくれる飼い主さんだーーー!

 

 

恐らく

アホみたいな笑顔だったと思う

 

満面の笑みを通り越して

いっそ不気味なほどの笑顔だった事だろう

 

そんな不気味な笑顔で走って犬の元へ行く

 

 

私「こんばんはーーーー!(犬に向かって)」

 

飼い主「こんばんは~」

 

 

あっ

 

ごっ・・・ごめんなさい

 

もうすっかり犬にしか思考が向いてなかったわ・・・!

 

 

私「触ってもいいですか!?

  いいんですか!?(もう両手出してる)」

 

飼い主「どうぞどうぞ~」

 

私「ふっへへへぇ!

  触っちゃうぞー!」

 

犬「・・・・・・・・(小首を傾げている)」

 

 

両手で可愛い可愛いふわっふわのわんこの顔を包む

 

 

ほわぁぁぁーーーーなんというふわふわ感・・・

この世の天国だ・・・!

 

 

わんこは

びっくりするほど大人しかった

 

大人しくて

私がしゃがみ込んでいる足元に頭を突っ込み

まるで猫のように頭を押し付けてくる

 

 

私「うんともすんとも言わない・・・!

  なんておりこうさんなんでしょう!

  えぇー!?なんだこりゃー

  全然吠えたり暴れたりしないんですねぇ」

 

飼い主「人が好きな子でねぇ

    人見るとさっきみたいに立ち止まって

    ずーーーーーっと見てるの

    触ってくれるまでずぅぅーーーーーーーーーーーーっと!!!」

 

 

笑うわ

 

飼い主さん50代くらいだろうか

ちょっと喋りが面白いぞ・・・

 

 

私「それは・・・散歩する側としてはなかなか・・・!」

 

飼い主「そうそう

    全然進まないんだから

    行くよ!って言って引っ張ってもびくともしない!」

 

 

わんこは

可愛い瞳で私を何度も見上げたり

ぺろぺろと私の手を舐めたり

足に頭をこすりつけてくる

 

 

私「はぁぁぁ・・・可愛い・・・」

 

 

両手で顔を持ち上げて見てみると

 

お世辞抜きで超絶美人

 

 

まるで雑誌にでも載っていそうなくらいに美しい顔をしている

 

 

私「あらぁーーー美人さんだねぇ!

  前から散歩させてるの車から見えてて

  可愛いお尻してるなぁーと思ってたんですけど

  こんなに美人さんだったなんて!」

 

飼い主「なんかねー綺麗な顔だって言われるねぇ」

 

私「女の子ですか?

  お名前は?」

 

飼い主「Hって言うんですよ」

 

私「Hちゃんっていうのー!

  可愛い名前だねぇ!

  可愛いお顔にぴったりだねぇー!」

 

H「・・・・・・・・・・・・」

 

 

最近

ちょっと野良猫とも近い距離で接する事が出来たし

朝の通勤時に会うイケメン犬

B君とも毎朝逢瀬を繰り返している

 

そしてHちゃん!

 

近頃の私は可愛いもふもふと触れ合う時間が多くて幸せだなぁ!

 

 

この後

 

飼い主さんをあまり困らせてはならないと思い

何度かHちゃんと離れようとしたが

 

Hちゃんは私のそばから離れようとせず

一歩下がると一歩寄ってきて

 

私を見上げて

 

 

小首を傾げる

 

 

私「えっえっ!

  さっきからえっ!?

  何ですかこの異様なまでに可愛いこの・・・首の・・・この・・・!」

 

飼い主「あぁそれね

    首こうやって傾げるやつね・・・!

    かまって欲しい人に対してやるんだよ~~~!

    いやらしいんだわ~~~!」

 

私「うわぁーーあざとい~~~!」

 

飼い主「ねぇ!あざといんだわ!

    だから若い子とかも皆「触っていいですか」ってなってね!

    全然進まないの!

    部活帰りの中学生と遭遇しようものならね

    散歩で2時間くらいかかっちゃうんだから!

    握手会状態!」

 

私「Hちゃんそんな可愛い事したらさらわれてしまうよ!?

  ・・・・・・・・・・・私に」

 

飼い主「あっ!こわっ!」

 

 

結局

10分ほど飼い主さんと会話をしながら

Hちゃんをたっぷり堪能させて頂いてしまった私

 

申し訳ねぇ・・・

 

ついついあの小首を傾げて見上げる攻撃にくらっと来て・・・

 

 

しかし

どうやら飼い主さんの話では

Hちゃんはロックオンした相手に対し

『触ってもらえるまでその場から動かず見つめる』

という行動を取り

 

それでも触って貰えなかった場合

 

少し先まで進んだ所で

『やっぱ戻ろう!!!?戻ったら触って貰えるかも!!!』

という駄々をこねてこねてこねまくって

元来た道を戻る羽目になるらしい

 

今回は正直

私が触ってくれる人で助かったそうな

 

とりあえずちょっとでも触ってさえもらえれば

無理矢理引き離しても『戻ろう!』とまでは言わないらしい

 

なんという・・・

なんという可愛い生き物・・・

 

 

飼い主「ほらお姉さんももうあんたにばっか構ってられないんだから!

    行くよったらもーーー!

    どーして俺の言う事全然聞いてくれないのあんた~!

    俺にはそんな可愛い態度取ったことないでしょー!?」

 

私「いやー賢い子だったなぁ

  こんなお利口さんなかなか見ない・・・」

 

飼い主「本当に利口だったら・・・

    飼い主の僕が「行くよ」って言った時に・・・

    ちゃんとついてくる・・・

    僕の言う事なんて聞いてくれた事・・・

    ないんだから・・・」

 

私「・・・・・・・・・・・」

 

 

確かに・・・・・・・・・・!!!!!

 

 

こうしてHちゃんは

 

 

まるでぬいぐるみのように抱きかかえられて

飼い主さんに連行されて行った

 

 

これ

くっそ可愛いけど

 

飼い主だったらマジで最悪だな・・・!!!