黒猫のワルツ

私無神論者なんですよね

 

皆様こんにちは

 

低気圧が過ぎ去り

途端に絶好調のLUKAでございます

 

 

・・・こんなに気圧に左右される人生って一体・・・

 

 

 

私が働いている会社には

日々たくさんのお客さんから電話がかかってくる

 

お客さんの年齢層はかなり高め

 

後数十年もして高齢者たちが減った後

この会社は今と同じように

仕事がたくさんある状況なんだろうか・・・?

と不安になるくらい高齢のお客さんが多い

 

今は『何でも屋』のような事をやっているけれど

本業はそうじゃないので

もしかしたら本業一本で行くような形にすれば

それでも何とかなりそうな気はするけれど

そうなると今居る人材はどうなってしまうのだろう・・・

 

 

そんな訳で

とにもかくにも高齢者のお客さんが多い分

 

色々とおかしな事も起きる

 

 

完全に痴ほうだな

って思うようなお客さんも居るし

かなり変わった人も居る

 

 

先日

 

休憩の帰りにそのままマイカーで集金周りをしていた時の事

(あまりにも道路状況が悪くて会社の車だと不安だった)

 

この1件でようやく最後だ!

と思いながら

雪に埋まって動けなくなっている車を無視してかわし

最後の集金先に辿り着いた私

 

 

ジャンバーのフードを深く被って

手袋をはめてから車を降りると

 

 

すぐ近くに80代くらいの男性が立っていた

 

 

 

とてつもない薄着で・・・!!!

 

 

 

この日の北海道の気温は当然氷点下

 

私の住んでいる地域はその時

-7~-9度くらいだったんじゃなかろうか

 

なのにその男性は

 

白い肌着のような物1枚と

薄汚れた茶色のズボンだけを身につけた状態で

 

吹雪の中

外に突っ立っていた

 

 

え・・・

 

やっば・・・

 

どうかしてるぞこいつ・・・

 

 

身体だけじゃなく

毛が薄くなった頭にも

顔面にも雪が積もっている

 

吹雪のせいで

やたら私から見て左側に雪が付着しているのが気になる

 

 

地蔵にでもなったつもりなんだろうか・・・

 

 

見るからにヤバそうな80代くらいの男性を

スッと避けるように通り

その先に見えている家へ歩く

 

目的の家はこの家のはず・・・

 

 

・・・・・・・・?

 

 

何か・・・

 

視線を感じる・・・?

 

 

恐る恐る後ろをゆっくり振り返ってみると

先程横を通過した80代くらいの男性が

突っ立ったままの姿勢で

 

こちらをじっと見ていた

 

 

こっわ!!!

 

さっきまであっち見てたのに

いつの間にかこっち見てる!!!

 

 

やべやべ!

見てません!

私何も見てません!!!

 

 

前に向き直り

目的の家の玄関前の階段を上がろうとしたその時

 

 

男性「誰!!!!」

 

私「ビクッ!!!」

 

 

驚いて振り返ると

どうやら先程の「誰!」というのは

80代の男性が発した言葉だったらしい

 

 

えっ

 

まさか

 

あんたがこの家の人・・・!?

 

 

私「あの・・・

  〇〇会社の者です

  △△様でいらっしゃいますか・・・?」

 

男性「・・・・・・・・・・なるほど」

 

 

なるほど!!!?

 

質問に対する返答が「なるほど」!!!?

 

 

私「!?!?!?!?」

 

 

次の瞬間

男性は

 

薄い白い肌着の襟を下にグイッと引っ張って

そこから手を中に突っ込み

何やらもぞもぞ自分のお腹の辺りを探り始めた

 

 

えっ・・・何これ・・・

 

・・・ま・・・まさか

 

 

私が想定していた

最悪の事態が発生した

 

 

男性はどうやら

やっぱり私が集金に行こうとしていた家の主らしく

 

肌着(ズボンにイン!)の

お腹の辺りにお金を入れていたらしい

 

 

シワシワに折れてしんなりした1万円札を取り出した男性

 

 

・・・・・あっ

 

それを・・・私が今から・・・

頂戴する訳ですね・・・?

 

 

思わず静かに目を閉じて

ゆっくりと目を開いた

 

 

あぁ

 

現実だ・・・

 

 

私「・・・・・・・・・・・・」

 

男性「あんたの会社の人たちは

   皆親切で良い人ばかりだ・・・」

 

私「・・・ありがとうございます

  訪問させて頂いた者にも伝えたいと思います」

 

男性「俺はなぁ・・・

   これまでに3度死んでる」

 

 

・・・・・・・・・あの

 

その右手の人差し指と中指の間にビシッと挟んだ

しわくちゃの一万円札頂けますか?

 

すぐさま領収書を渡して帰りたいんですが・・・

 

 

男性「信じられないかもしれないが・・・

   俺は3度死んで

   三途の川も見てきた男だ・・・」

 

 

ダジャレかなって思った

 

サンドとサンヅみたいな感じで

ダジャレ言いたいのかなって思った

 

 

私「そうなんですかー」

 

男性「そして俺は神様から力を授かったんだ・・・」

 

 

この人80代くらいに見えるけど

80代とかでも厨二病とやらにかかるのかなぁ・・・

 

 

男性「俺はな・・・

   「死ね」と思った相手を殺す事が出来るんだ・・・」

 

 

あぁ!なるほど!?

こりゃ病気だな!!!!!

 

うわぁー

 

いやー

 

一目見た時から分かってたー・・・

 

 

男性「〇△町に□□って奴がいるんだが・・・

   あいつはせこい男でなぁ・・・

   あいつに向かって俺は

   「俺に逆らえば死ぬぞ」って言ってやったんだ

   そしたらそれから半年経たないうちにあいつは死んだ」

 

 

「俺に逆らえば死ぬぞ」

って脅迫罪が適用されるんじゃないのかな

 

具体性が無いからギリギリセーフか?

 

 

男性「それから△〇町の□△も俺が殺した・・・

   他にもたくさん殺してきたんだ俺は・・・」

 

 

あの・・・

この辺りにお医者様はいらっしゃいますかー!!!?

 

お医者様ぁーーー!!!?

 

 

男性「どう思う?」

 

 

唐突な感想要求!!!

 

きっつ!!!

 

 

私「・・・・・・そ

  それは・・・恐ろしいですねぇ・・・」

 

男性「嘘みたいな話だろ・・・?

   だけどなぁ

   俺は今度□〇町に300坪の土地を買う事にしたんだ

   あれは俺にしか買えない」

 

私「・・・・・・・・・はぁ」

 

男性「その土地の今の所有者には

   「俺以外に売ったらそいつとお前を殺す」

   って言ってあるからな・・・」

 

 

それは脅迫罪ですね!!!

 

間違いなくアウトだと思います!!!

 

 

男性「だけどそいつは他の奴に土地を売ろうとした・・・

   そうしたらそいつの兄さんが

   それから一カ月後に死んだんだ・・・」

 

 

本人じゃなくて兄かよ!!!

 

 

男性「世の中には悪い奴がたくさん居てな・・・

   俺はそれが目を見ただけで分かるんだ・・・」

 

 

そうなんですかー

 

私もお爺さんの目を見ると

お爺さんの事が分かるんですよー

 

お爺さんの目

黒目が青くなってきていて

緑内障ってやつだと思います!!!

 

 

男性「だから俺は

   そういう死んで良い人間を殺す為に

   神様から力を貰ったんだ・・・」

 

 

後もう一個分かるんですけど

 

他人に対して「死んで良い人間」とか言う奴に

ロクな奴居ないですね!!!

 

 

男性「そういえばお宅の会社は

   屋根の雪おろしやってくれるのかい?」

 

私「やってないですね!!!」

 

男性「・・・・・・俺には人を殺す力が」

 

私「今年は人手不足で出来ないんですよ!

  なのでやってないです!

  代金8,800円です!

  1万円札でのお支払いでよろしいですか?」

 

男性「・・・・・・・・・・・・・」

 

 

男性の目の前に両手を差し出し

男性からしぶしぶ渡された1万円を受け取った私

 

 

私「1,200円のお釣りです!

  こちらが領収書です!はい!

  ありがとうございましたー!!!」

 

男性「俺には本当に神様からもらった力が・・・」

 

私「またのご利用お待ちしておりますー!

  失礼いたしましたー!!!」

 

男性「・・・・・・・・・・・・」

 

 

大きく頭を下げて

走って車に戻った私を

 

男性がじっと見ている

 

 

・・・・・・・・うん

 

 

呪われたって雪下ろしなんかやらねぇからな!!!!!!?