黒猫のワルツ

世の中金も大事だけど金だけじゃない

 

皆様こんにちは

 

はてなブログ今週のお題

『あなたにとっての「大人」って?』

が視界に入り

 

ゆっくり目を閉じてから

 

 

・・・自分が未熟である事を知っている人間かな

と思ったLUKAでございます

 

 

いやー難しいねぇこの質問!!!

 

法的な大人ってのは定義付けられているけれど

きっと今回のこの質問の主旨は

内面的なものも踏まえてって事ですよね

 

こりゃー難しい!

 

若い頃にもこれと似たような質問を

どこかで何度かされた事があって

 

幼い頃は

「立派な人!ちゃんとしてる人!」

みたいな漠然とした考えで

 

成人式かなんかで問われた時は

「大人になりたいと思わなくなったらかなぁ」

みたいな感じだった気がする

 

こういうの

10年置きとかに質問されたいですね

 

10年経つ毎に答えが変わってきそう

 

果たして10年後の私は

この質問に何と答えるんでしょう

 

 

それはさておき

 

 

先日とあるお客様の家へ

集金に出掛けた時の事

 

 

車を停める場所があるかどうかを確認する為に

会社で一度地図を確認した私は

ちょっと首を傾げた

 

 

これから集金に向かう家は

なんだかおしゃれな名前の建物で

恐らくアパートか何かなのだ

 

訪問先の部屋番号から察するに

結構な部屋数がある建物

 

 

なんだけど

 

地図上で見ると

 

 

めちゃくちゃ建物が小さかった

 

 

どのくらい小さいかっちゅーと

隣に建っている一軒家とそう変わらないくらいのサイズ感

 

 

何かの間違いかな?

と思って周辺一帯の地図を見直すも

やっぱりその小さい建物が私の目的地らしい

 

ストリートビューで確認してみたかったけれど

小路が狭くて入っていけなかったのか何なのか

ストリートビューにその道路は反映されていない

 

 

・・・まぁとりあえず行ってみるか・・・

 

 

支度を整えた私は

車を運転して目的地へ向かった

 

 

スマホのナビの通りに進み

車を少し離れた広い道路の脇に停めて

まともさんが作ってくれたバッグを持って車から降りる

 

少し歩いたらすぐのはず

 

 

そして

目的地に到着した私は

 

 

目的地が分からず困惑した

 

 

住所としては合っているはずなんだけれど

周りを見渡してもそれらしき建物が無い・・・!

 

えーっと向かいの家が山田さんで

左の家が田中さんで・・・

 

って事は

 

この建物なんだけど・・・・・・・?

 

 

該当の建物を見上げると

そこには

 

まるで長方形の箱のような

ただただ細長い古びた建物があった

 

 

これ・・・???

 

 

アパートのようにはとても見えない

 

何というか・・・

 

 廃ビ・・・・・

いやビルって程大きくないんだよな・・・

 

廃墟・・・???

 

 

周りを見渡しても

ごくごく一般的なこじんまりとした一軒家が建っており

 

そのサイズと比較しても圧倒的に小さい

 

高さはあるけれど

とてもアパートのサイズじゃない

 

 

しかも

 

出入口が見当たらないのだ

 

 

一応道路に面した場所に

鉄の小さな非常口のような扉はついている

 

でも

建物の名前はおろか

灯りになるような物すらも一切設置されていない

 

って言うかこの建物

窓も圧倒的に少ないんだ・・・!

 

まるで公衆トイレに設置された小さい換気用の窓

みたいなのが数個あるだけだ・・・!

 

 

でも・・・多分恐らくこの建物なのだろう・・・

 

 

だけどこれ

一体どこから入るの・・・?

 

 

建物の反対側が入り口なんだろうか?

と思って

細長いアパート(?)の横へ回り込もうとしてみたけれど

そこはなんかもっと違う雰囲気だった

 

建物の裏には

普通にまた民家が建っていて

その裏側が見えている

 

建物の裏側に回り込めそうな場所も見当たらない

 

 

えぇっ・・・

 

ど・・・どうしよう・・・

 

 

散々建物の前でうろうろした私は

試しに非常口っぽい所を開けてみる事にした

 

仮に非常口だったとしても

鍵さえかかっていなければ

建物の中に入る事が可能なのだ・・・!

 

 

降り積もった雪の上には足跡一つ無く

頻繁に除雪されているような様子もない

 

帰りはちゃんとした出入口から帰りたいな・・・

 

 

非常口らしき鉄の扉のドアノブに手をかけ

恐る恐る回してみる

 

 

カチャッ・・・・・・・

 

 

隙間から中を覗いてみると

そこは

 

 

闇だった

 

 

真っ暗!!!

 

 

そして玄関っぽい雰囲気も無い!

 

良かったー!

内心普通に誰かの家の裏口だったらどうしようかと思ってたー!

 

 

ゆっくり重い鉄の扉を開いて行くと

外から差し込んだ明かりでようやく中が見えてきた

 

 

凄く狭い空間に

上へ上がっていける狭くて細くて急な階段

 

そして左手には

 

 

たくさんの郵便受け!!!

 

 

・・・郵便受け・・・?

 

 

ドアを右手で開いたまま

しばらくその場で止まって

暗闇を目を凝らして見つめる

 

 

えっと・・・

 

もう向こう側の壁が見えてるんだけど・・・

 

そこには玄関らしきものが無いんだよね・・・

 

 

しかも

この非常口から入って本当にすぐ左側の壁に

無数の郵便受けがある

 

 

って事は

 

まさかここが正面玄関って事・・・!!!?

 

 

 

えぇぇぇ・・・!?

 

どう見ても非常口・・・!

 

 

って言うかあの

暗くて何も見えないんですけど

電気とかってないんですかね・・・?

 

建物内の天井を見上げてみるけれど

そこには何の照明器具も見当たらない

 

いや

 

あの

 

正確には蛍光灯をつける部分はあったんだけれど

蛍光灯がはめられていなかった

 

蛍光灯がはめられていないもの

照明として使える訳がない

 

 

・・・へぇ・・・

 

 

ポケットからスマホを取り出し

カメラのライトをつけた私は

静かに非常ぐ・・・じゃない

正面玄関の重い扉を閉めた

 

 

一気に閉塞感が高まる

 

 

なんって狭いんだ・・・

 

入り口の時点でこんなに狭いなんて・・・

 

 

何はともあれ

どうやらここの3階が目指す目的地だ

 

階段を登ろうとすると

階段の両サイドの幅が狭くて

ちょっと斜めにならないと腕が壁に当たりそうになる

 

 

凄まじい建物だな・・・

 

こんな建物が令和のこの時代に現存しているなんて・・・

 

 

1階部分はどうやら物置的な物だったのか

ここは2階から人が住めるスペースになっているらしい

 

2階に上がった私は

ここでも驚いた

 

 

図の中央の赤いのが私

 

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私の周りにある6つの長方形が

 

 

各部屋の玄関のドアだ

 

 

ドアにはそれぞれ部屋番号がマジックで書かれており

これが人の住む部屋である事を示していた

 

 

ドアとドアの間めっちゃ狭くね・・・!?

 

一体どういう間取りにしたらこの部屋数が実現出来るの・・・!?

 

 

私から見て両サイドはまだしも

正面やばくね!!?

どうなっとー!!!?

 

 

何度もドアとドアの間隔を二度見三度見しながら

また階段を上がって行く

 

 

って言うかドア自体も恐ろしく細くて小さい

 

私はチビだけれど

それでもドアの高さが低いなって感じるくらい低い

 

 

す・・・すごい場所へきてしまった・・・

 

 

そんな気持ちを抱えて3階に到着した私は

目的の部屋番号を見つけて

チャイムを探し

 

 

再び驚いた

 

 

チャイムという物が存在していない気がするんだが・・・!?

 

 

何度壁を見渡しても

チャイムらしきものは存在していない

 

どどどどどうしたら・・・!?

 

 

というか・・・

 

なんか・・・あの・・・

 

ドアの前に立って気付いたけど

ドアの隙間から部屋の中の明かりが漏れてきていて

テレビの音とか聞こえてるんだね・・・

 

 

『チャイムなんて無い』

という現実をすぐに受け入れた私は

 

スマホをポケットの中にしまい

右手で拳を作って

中指の第二関節でドアをノックした

 

 

コンコンコン!

 

 

男性「はーい!」

 

私「〇〇会社ですー!」

 

男性「はいはいー!」

 

 

あれ?

なんか男性

ドアの目の前に居た?

 

すげぇ近くで声がし・・・

 

ガチャッ

 

 

男性「わざわざどうもねぇー」

 

私「いえいえ・・・!」

 

 

そこで私が目にしたものは

 

 

恐らく4畳しかない部屋だった

 

 

細長く目の前に続く部屋には

『玄関』と呼べるものなんて無く

 

多分これは・・・

ドアを開けたらその場ですぐに靴を脱いで

敷居をまたいだそこから部屋なんだと思う

 

ドアを開けたすぐ目の前に

畳まれた段ボールが置かれており

その上に2足のスニーカーが置かれていた

 

 

私が立っているドアの部分から

40センチ程先にはもう布団が敷かれており

そのほんのちょっと先にはテレビがある

 

とにかく狭くてドアの幅とそう変わらない部屋の幅しかないので

ドアの所から室内が一望出来ているが

お風呂場のような物や

まともな台所のような物なんて無い

 

近付いて見た訳じゃないから分からないけれど

横幅30センチ程度のシンクのような物はあって

その中には小さな洗面器が1つ

 

その横に小さなカラーボックスと

小さな冷蔵庫が置かれているが

多分冷蔵庫の扉を開ける時は

布団を持ち上げて避ける必要がある

 

 

凄まじい・・・

昨今の囚人の方が多分もっといい部屋を使っている気がする・・・ 

 

 

 お風呂は近くに銭湯があったからそこを使うとして

洗濯は一体どうしているんだろう・・・?

1階部分は大体見えていたけれど

洗濯をするような場所なんか無かったぞ・・・???

 

 

お金を用意している男性をぼんやりと見つめながら

ふと以前ニュースで

お年寄りがわざとに犯罪を犯し

「刑務所に入りたくてわざとやった

 刑務所の中なら温かいし綺麗だし飯が出る」

と供述した話を思い出した

 

 

こういう生活をしている人がまだまだ日本国内には

たくさん居るのだろう

上っ面は裕福な国に見えても

間違いなく貧富の差が存在している

 

そう考えると

あの供述の真意も見えてくるような気がする

 

 

男性「ごめんごめん待たせたね!

   はいこれね!

   さっき用意してたのに

   どこ置いたか分からなくなっちゃった!

   出したのに財布にしまっちゃってたわ!」

 

私「ありがとうございます!

  お預かりします!」

 

 

受け取ったお札はどれもしわくちゃで

数えるのは楽だった

 

 

私「・・・ありがとうございました・・・!」

 

男性「どうもねぇー!!!」

 

 

ただ

 

なんか全然悲観的な気持ちにはならず

 

うわーすげー!

こんな狭い部屋のアパート現存するんだー!

ドア開けてる最中に人が通ったらどうしよう!?

 

みたいな事だけを考えていられたのは

 

その住人の男性が

 

 

アホみたいに幸せそうに

良い笑顔で笑う人だったからだろう

 

 

やっぱ人間って生きる為にはお金が必要だけれど

それだけじゃないんだろうな・・・!

 

 

さー私も会社へ戻ったら退社時刻だ!

 

 

家へ帰ってそこそこ狭い家でぬくぬくして幸せしよーっと!!!

 

 

 

・・・ただ

 

 

狭い家の方が落ち着く私でも

さすがにあの狭さは無理だわ・・・!!!