黒猫のワルツ

それ狙いの生け簀だったんだろうか

 

皆様こんにちは

 

そろそろ春の山菜採りが待ち遠しくて

ウズウズしてきているLUKAでございます

 

 

って言っても北海道の春なんて5月とかなんですけどね!

 

 

 

さて

そんな私なのですが

先日お寿司屋さんで働いていた当時の事を思い出して

 

『生け簀(いけす)事件』の事も思い出した

 

 

当時働いていたお寿司屋さんには

ちょっと大きめの水槽があり

毎朝市場の魚屋さんから運ばれてくる鮮魚類が入れられていた

 

 

ヒラメ

イカ

 

この2種類が常に入れられており

何かイベントをやる時には

 

アワビ

車エビ

 

こんなのも入れていた

 

 

ただ

この車エビがよう問題を起こしていた

 

 

そりゃーそうなんだけれど

エビって食物連鎖のめちゃくちゃ下の方に居るじゃないですか

 

だから他の野郎共に食われるんですわ!

 

 

それでもどうしても展示したいというか

そこから生きたまま取り出して

ピチピチしたやつを食べて貰いたいという気持ちから

店長は生け簀に車エビを入れていたんだけれど

 

小さな子供にとっては

恐ろしい光景だったに違いない

 

 

当時ホールを管理するのが私のメインのお仕事だったので

アホみたいに混雑するタイミングの時は

私が必ずホールに出ていて

待っているお客さんを案内したり

ホールのスタッフに指示を出したり

ホールスタッフだけで不足していると感じた場合は

即座に裏に居る人に指示を出す

って事をやっていたんだけれど

 

そのポジションは生け簀のすぐ斜め前だった

 

 

要するに

イベントの時は車エビが生け簀に入る

イベントの時は混雑するから私が生け簀の斜め前に居る

 

なので

生け簀に関する子供たちの声は

ほぼ全て私の耳に届いていた

 

 

私「ありがとうございました~!」

 

子供1「エビ・・・食べられてるよ・・・?」

 

私「・・・・・・・・・・(にっこり)」

 

子供2「ままぁぁあ!!!

    エビさん食べられてるぅーーーー!

    うびょえぇぇえーーーん!」

 

私「・・・・・・・・・・・・・・(にっこり)」

 

 

こういう事が多々あった

 

ヒラメがね!!!?

 

毎日必ず入ってるヒラメがエビ大好きだからさ!

食べたくてしゃーないのよ!

 

分かってあげて!

君たちが日ごろ色々な物を口にしているように

ヒラメさんだってご飯食べるんだよ!!?

 

 

確かにちょっとグロいよね!?

 

いきなり水槽の下に張り付いてたヒラメがブワァッと浮かび上がって

バクッとエビを咥えて

エビの破片をまき散らしながら食べる姿は怖いしグロいよね!?

 

まだ幼稚園とか小学校低学年とかの子供からしたら

衝撃的なんてもんじゃねぇわな!

 

 

でもね!?

聞いてくれる!?

 

私だって店長に

「もう車エビ入れるのやめようよ!?

 また食われるじゃん!」

って言ってんだよ!?

 

言ってるけど

どうしても入れたいらしいんだもん・・・!

 

 

そしてある日の朝の出来事

 

 

市場の男性が生け簀に入れる魚たちを運んで来た際に

こんな事を言ってきた

 

「小さいけど生きたホッケが居るんですよ

 観賞用にどうですか?」

 

 

そして店長は大喜びで

その長さ20センチにも満たないホッケを貰い生け簀に入れた

 

 

その日はよかった

 

たくさんの車エビたちと一緒に

楽しそうに生け簀の中を泳いでいた

 

魚屋さんの話だと

ホッケの主食はプランクトンだから

弱るまで生け簀に入れて鑑賞用にしても良いかも

という事だった

 

 

その日の営業を終え

ホールのチェックと生け簀のチェックをした私は

翌日使う分の車エビがまだたくさん入っている事を確認

 

 

明日の朝にも車エビ届くし

明日は今日よりももっとお勧めして提供数を増やしてもいいかもしれない

 

ホワイトボードは全力で車エビをお勧めする内容にしとくか!

 

 

 

そして翌朝

 

ホールに出て準備をしようと

ふと生け簀の中を見た私は驚愕した

 

 

く・・・

 

 

車エビが一匹も居ない!!!!!!

 

 

それどころか

イカたちも無残に噛み千切られてぼろぼろに白くなり

死にかけばかりじゃないか・・・!?

 

なんだかもう生け簀の中は

白くてふわふわしたエビだのイカだのの破片で濁っている

 

 

お・・・お前ぇぇぇええ!!!?

 

 

私「て・・・てんちょぉおおーーー!

  ホッケが・・・!ホッケがぁああ!!」

 

店長「んぇ!?」

 

私「ホッケがびっくりするくらい狂暴だったっぽい!」

 

店長「はっ!?うわっ何これ!?」

 

 

すぐさま板前のKさんがすっ飛んできて

ホッケを生け簀から手掴みで取り出して

歯を指さした

 

 

Kさん「こんな歯ぁしてるもんなぁ!

    そりゃエビだのイカだのくらい食うわなぁ!

    だーから俺やめとけって昨日言ったのに!」

 

 

そこには

ギザギザの歯がびっしりと生えているじゃないか・・・!

 

 

店長「嘘でしょぉ!?

   えびぃ・・・!!!」

 

 

だからなんでもかんでも生け簀に入れるな

って言ってるのにーーーー!!!

 

 

ただ

 

この恐ろしい食物連鎖

幼い子供たちの目の前で繰り広げられなくてホッとした・・・

 

 

 

そしてさらには

『活イカフェア』なるイカだらけのイベントを行った際の事

 

 

いつもよりも大量に生きたままのイカを生け簀に入れ

プラスチックの蓋を生け簀に被せ

営業を開始した

 

 

店内はどんどんお客さんで埋め尽くされていき

あっという間にピークの時間を迎えた

 

テンション上がるー!!!

 

もっと来い!

じゃんじゃん来い!!!

 

 

・・・と思っていたら

突然私の後頭部に水しぶきがかかった

 

 

ビシャーーーーッ!!!

 

 

私「!!!?!?!?!?」

 

 

驚いてたじろぎながら振り返ると

 

生け簀に被せたプラスチックの蓋をイカが押し上げ

 

イカたちが一斉に生け簀から飛び出し始めたのだ

 

 

しかもイカ

袋の中に吸い込んだ水を一気に噴き出す事で

前に進んでいる

 

つまり

 

生け簀から飛び出す時

イカは全力で水を吐き出しながらロケットのように飛び出すのだ

 

 

イカたち「ビシャーーーッバシャーーーッ!!!」

 

私「!?!?!?!?!?!?」

 

 

ちょっ・・・!?

 

えっ何!?

つめたっ!!!

えっ・・・はぁぁああ!!!!?

 

 

蓋を閉めに行きたいけれど

とてもじゃないけれど近付けない!

 

っていうかどんどん地面にイカが飛び出して

店の外にまで飛んで行ってる!!!

 

 

慌てて裏に繋がるマイクを手に取った私は

 

 

私「てんちょぉおおーー!!!」

 

 

とだけ叫んだ

 

 

もうとにかく店長にすぐに助けに来て欲しかった

 

 

とてもじゃないけれど自分一人で手に負える事態じゃない!!!

 

 

走って飛び出してきた店長もパニック!

 

 

店長「なに!?何これ!!?」

 

私「分からない!

  ぼ・・・ボボボボウル持ってくる!

  ボウル!」

 

店長「待って俺が行った方が・・・!?」

 

私「違う違う違う違う!

  外のお客さんにも水しぶきかかってるから!

  そっちの対応してくださいぃぃーーー!

  そのために呼んだんですぅぅーーーー!!!」

 

 

全力疾走でびしょびしょの床を駆け抜け

キッチンからボウルを取って来るついでに

イカを手掴み出来る人を2人拉致してホールに戻り

 

店長が必死に謝罪している横やら後ろやらで

こっちも必死にイカを捕獲する

 

 

床が墨やら水やらでぬるぬるだ・・・!

 

もうめちゃくちゃだよ・・・!

一体何なんだこれは・・・!!!?

 

 

 

そして

 

生け簀の中には

 

 

わずか2匹のイカだけが残った

 

 

後になって調べたところによると

水中の酸素濃度が不足すると

そういう事態が発生する事もあるらしい

 

要するに

今まで入れた事がない量のイカを入れた事により

生け簀の中の酸素が不足して

イカたちが暴れたって話なんでしょうね・・・!

 

 

ちなみにこの時も

幼い子供たちはあまりの光景に発狂して泣き出したり

楽しそうだと寄ってきてしまって水浸しになったりしていた

 

 

今になって思うとあの生け簀

 

 

トラブルメーカーも良い所だったけれど

 

 

あぁいうアトラクションとしては面白かったのかも・・・!?